「自転車は車両」マナー向上 道のり多難?

危険な運転を繰り返す自転車利用者に安全講習を義務付ける改正道交法が1日、施行される。自転車と歩行者の事故が後を絶たないためだが、自転車専用道の整備や事故時の賠償金支払いなど自転車をめぐる課題は数多く残っている。(報道部・氏家清志)

◎基本は警告ベースに/車道整備を業界訴え/保険加入義務付けも

<警 察>
国は改正道交法の施行令で、信号無視や酒酔い運転、スマートフォンを操作しながらの運転など14項目を「危険行為」に指定した。対象は14歳以上。3年以内に2回以上、摘発された違反者に安全講習を義務付けた。受講しないと5万円以下の罰金がある。
取り締まりについて、宮城県警交通指導課は「悪質な走行は積極的に摘発するが、基本は警告ベース」と説明する。県内の年間の講習対象者は数人程度と見込み、警察庁も全国で数百人程度とみる。
法改正の背景には、自転車の死亡事故の約7割が自転車側に違反が認められる現状がある。講習義務化をきっかけに、自転車マナーが向上し、事故件数を減らす狙いがある。

<利用者>
マナー向上と罰則強化の流れとは別に、自転車業界からは車道に専用道を整備することを求める声が上がる。スポーツバイクを主に扱う仙台市青葉区大町の自転 車店「シクロヤマグチ」の山口雅之副店長(31)は「車道を自転車が走りやすくなれば自転車のマナーも良くなる」と指摘する。
仙台市によると、市内では独立した自転車専用道路が2カ所、自転車レーンが1カ所ある。市自転車交通安全課は「専用道は効果的だが、道路の形状から車線の数を減らすのが難しい場所もある」と現状を説明する。

<賠償金>
自転車事故をめぐり、急浮上しているのは多額の賠償金だ。自転車で歩行者を死傷させた際の賠償金は近年、数千万円規模に膨らみ、加害者に支払い能力がない 場合、被害者が救済されないケースが増えている。こうした事態を受け、兵庫県は3月、自転車利用者に損害賠償保険の加入を義務付ける条例を全国で初めて制 定した。
日本自転車普及協会(東京都)は「自転車は歩行者の延長ではなく、車両だということを法改正を機に再認識しなければならない」と利用者を戒める。