伊勢神宮の参宮犬石碑 宮城で発見

三重県の伊勢神宮に参拝した犬の石碑が宮城県栗原市金成の寺院、龍国寺の参道にあるのを、動物信仰などを調べている宮城県 村田町歴史みらい館副参事の石黒伸一朗さん(57)が見つけた。明治初期に建立された可能性がある。参宮犬の石碑は全国でも珍しく、東北地方で唯一とみら れる。

石碑は高さ53センチ、幅25センチ、厚さ13センチ。中央に「白毛犬参宮」と大きく彫られ、右に「明治六酉(とり)年七月廿 (以下不明)」、左に「飼人菊池新(同)」と書かれている。「菊池家で飼っていた白い毛の犬が伊勢神宮まで行き、戻った記念に石碑を建てた」と石黒さんは 推測する。
江戸中期から明治初期にかけ、お伊勢参りが全国で流行。経済的理由や病気、高齢で出向けない場合、飼い犬に願いを託して参拝させた。 白い犬が選ばれた例が多く、目印の木札を首に提げ、伊勢神宮のお札を持ち帰った。道中は見知らぬ人に宿場から宿場まで案内してもらい、宿場では食事の提供 を受けたという。
青森県から伊勢に向かった参宮犬がいたと記す古文書があるが、宮城県内では江戸末期に岩沼市で見たという文献が1例あるのみ。参宮犬の石碑も東日本では山梨県に1基あるだけだった。
今回の石碑は宮城県北部で調査している知人から連絡を受けた石黒さんが調べた。
石黒さんは「参宮犬の石碑は少なく非常に貴重。途中で行方不明になった犬も多かったと想像でき、神聖な場所から戻った犬をたたえたのだろう」と話している。