東北大発ベンチャー育成 ファンド設立

東北大発のベンチャー企業を育成するため、同大が全額出資する投資会社と七十七銀行、東邦銀行は3日、ファンドを設立した と発表した。設立は8月31日付。第三者の視点で事業化の是非を判断し、多額の資金が必要な事業化初期段階を支える。同様のファンドは大阪大に続き2例目 となる。
ファンドの正式名称は「THVP-1号投資事業有限責任組合」。東北大が出資、設立した投資会社の東北大学ベンチャーパートナーズ(VP、仙台市)が運営する。
規模は総額92億8000万円で、東北のベンチャーファンドとしては最大級。出資者は計9者で東北大が70億円、七十七銀は7億円、東邦銀は2億円、VPは8000万円を出資する。他の出資5者は非公表。
ファンド存続期間は10年で、最長5年間延長できる。1件当たりの出資額は平均5億円を見込み、15~20件を支援する。東北大が強みを持つ材料工学や電子・デバイス、医工学、バイオへの出資を想定する。
こうした分野の事業化は初期投資が多額になるため、民間投資家は資金供給に消極的になる傾向があるという。ファンドが事業を軌道に乗せることで、民間からの出資や融資を促す狙いもある。
ファンドを運営するVPには、大手化学品メーカー出身の八浪哲二社長をはじめ、民間企業で研究開発部門などを経験した人材をそろえた。大学とは異なる視点で研究成果の事業可能性を査定する。
大学の研究成果を経済成長に結び付けるため、政府は2012年度補正予算で東大、京大、大阪大、東北大の4国立大に計1000億円を出資。東北大には125億円が配分されており、ファンドはこの資金を活用した。