「石巻おでん」広めよう 地場産練り物で食開発

宮城県石巻市の企業や大学など産学が連携して食と旅を考える団体「石巻フードツーリズム研究会」は、地元の水産物や加工品を使った「石巻おでん」を普及させるプロジェクトを始めた。石巻が発祥の地とされる焼きちくわなど練り物文化を見直し、東日本大震災で疲弊した地域産業の復興につなげる。
石巻おでんプロジェクトは、石巻地方に伝わる練り物に着目。地場産の練り物などによる「石巻おでん」や、焼きちくわを使ったアレンジ料理など新しい食を開発し、観光振興や交流人口の拡大を図る。
提唱したのは、ヒット商品「サバだしラーメン」の開発を手掛けた石巻市の石巻専修大経営学部の石原慎士教授(47)。
石原教授によると、焼きちくわは石巻発祥とされ、明治37(1904)年に生産を開始。明治末の石巻には製造業者が60軒以上あった。昭和40年代にはスケトウダラが全国屈指の水揚げを誇り、かまぼこなど練り物の生産も盛んだった。
しかし、練り物の生産量は近年減少し、2009年は約9600トンで1999年の約1万5200トンに比べ約63%まで落ち込んだ。震災後はさらに減り、15年は約4600トンと99年の約30%にすぎない。
石原教授は「練り物文化を見直し、伝統を生かしながら自由な発想のおでんを提供したい」と意気込む。
石巻おでんは地元の水産物や農産物、加工品を必ず使う。「石巻おでんカレー」や「石巻おでんうどん」などの開発も検討する。取り扱う飲食店やパッケージ商品にはシンボルマークを表示する。
フードツーリズム研究会は8月28日、市内で説明会と試食会を開催。同研究会おでん部会の平塚隆一郎会長(58)は「石巻におでん文化があるわけではないが、新たな挑戦でおでんの街として知られる存在にしたい」と話した。
同研究会は昨年6月に発足。地域外から誘客するツアーを企画してきた。プロジェクトに参加する会社や飲食店を募っている。連絡先は石巻商工会議所0225(22)0145。