“プロ無職”が提唱「SNSを使いこなせば生活できる」 家賃もiPhoneもゼロ円

SNSの発展により誰しもが情報発信ができる時代。フォロワーの多さは発信力とも言い換えられ、インフルエンサーと呼ばれる域に達すれば経済を回すほどの力を持つ。SNSを基盤にした経済とはどのような特徴があるのだろうか。

◆プロ無職“るってぃ”氏はどうやって食べているのか

「20代のSNS世代の僕らは、それを『独自の経済圏』と呼んでいます」

こう語るのは自身をプロ無職と名乗る“るってぃ”氏。新卒で入った会社を10か月で辞めてブログを書きはじめ、今では年間300万円のスポンサーがつくなどブログから派生した収入で生活している。

ツイッターのフォロワーは1.6万人を超え、インフルエンサーとして紹介されることも増えてきた。同じような仲間も増えてくる中で、新しい経済圏の誕生を感じてきたという。

「企業に所属せず、友達同士で仕事を回してます。どうやって成り立つかというと、オンラインサロンでメンバーを育てて、SNSや交流会で仕事を依頼したい人を見つけて仲のいい関係を築いてから仕事を依頼し合うんです。プロジェクトに必要な資金があれば、銀行融資をしなくてもクラウドファンディングで募ればいい」

自分たちの力で仕事もお金も作り出せるという自負があるようだ。1つの試みとして、るってぃ氏はいま企業が作った服を買わないと決めている。それは自分の身の回りで経済を回すことに注力するためだ。

「もともと服は大好きだったんですが、今年は自分で作るか友人が作った服だけを買うことにしました。企業の知らない人にお金を落とすくらいより、友人に支払ったほうが同じお金でも全然価値が違います」

◆家賃ゼロ円で2畳半の部屋に住んでいる

金の使い道を厳選するだけでなく、モノの執着からも解放されている。その発想は自分の力で大金を稼ぎ、高価なモノを買うという価値観とは真逆のものだ。

「仲間と『家、タダでもらおうか』って話してたんです。独自の経済圏が成立すれば家も手に入るので。現に僕は家賃ゼロ円で都内に3年住んでいます。2畳半の部屋ですけど、生活用品はスーツケース1つにまとめてるんで十分です。友人はフォロワーから譲ってもらって車を2台も持っていますよ。でも車は維持費が高いし、移動も誰かに乗せてもらえばいいから免許証さえいらないんじゃないかって話してます(笑)」

もちろんそれだけ支援する人がいるのは、彼らの日々の情報発信に強く魅力を感じているからである。そして、発信力をもとに恩返しをするという関係性がうまれる。

「スマホをなくしてツイッターで『だれかくれー!』と呼びかけたらiPhone8をフォロワーさんからもらったんですよ。鳥取県の方だったんですが、代わりにスマホカバーを鳥取の名産品である『白バラ牛乳』のケースにして宣伝しています。鳥取のことなんてほとんど知らなかったんですけど、それをきっかけにお礼のため鳥取まで行ったら街にとそこにいる人に魅了されたので、今後鳥取のPRにも協力しようと思ってます」

そして、るってぃ氏は、次のように未来予想する。

「将来的には好きな経済を選択できるようになると考えています。いままでは資本主義経済しかなくて、会社に所属していかに働いて出世して金を稼ぐかという一択だった。これからのSNSはいままで以上に個人の人脈や思考が見える時代になっていくでしょう。そうなれば自然と『独自の経済圏』も、新しい経済の選択肢のひとつになると思います」

オジサン世代から理解しがたい経済観かもしれないが、彼らのビジネスが成り立っていることは事実。独自の経済圏が広まり定着していくのか、今後も注目していきたい。

【るってぃ氏】
大学卒業後、大手アパレルメーカーに就職するも10ヶ月で退社し、ブログを書き始める。新しい生き方や働き方を提唱するブログ「プロ無職」、「エアログ」などのWebメディアを運営。