集団移転跡 復興の水田に 市民団体が新事業 ビオトープも整備 仙台・荒浜

仙台市宮城野区岡田新浜地区の東日本大震災に伴う防災集団移転跡地に、「復興田んぼ」とビオトープが整備される。市の跡地利活用に応募した市民団体「カントリーパーク新浜」の事業で、自然農法のコメ作り体験や水生生物の観察ができる空間を目指す。6月2日に古代米の田植え体験会を実施し、プロジェクトを本格スタートさせる。

カントリーパーク新浜は自然農法を実践する農家、新浜地区の住民、環境教育が専門の大学教授ら計6人が昨年11月に設立した。市の跡地利活用に応募し、今年3月に事業が認められた。
予定地は貞山運河の西側で、震災前は水田だった約8700平方メートル。このうち約6000平方メートルを復興の象徴となる水田として整備し、約2000平方メートルを水辺ビオトープ、約700平方メートルを砂地ビオトープや駐車場にする。
地下30メートルからくみ上げる井戸水が年中、田んぼやビオトープを潤す。農薬や化学肥料を一切使わず、有用微生物群(EM菌)が有機物を分解し、土壌を強くするという環境に優しい農法で、うるち米のササシグレなど数品種を栽培する。
震災後に用地の除塩はしていないが、塩分濃度が必要な環境配慮型の農法に適しているという。
水辺ビオトープにはメダカを放し、タガメなど水生生物が生育する環境を整える。砂地ビオトープにはハマナスやハマボウフウなどを植え、津波で失われた海岸の風景を復活させる。
会員制度をつくり、個人や家族、グループ(5人以内)の一般会員は2万円、企業など法人会員は10万円の年会費で、田植えや稲刈り体験、自然観察会や収穫祭などに参加してもらう。
収穫したコメは一般会員には玄米で30キロ、法人会員には60キロを贈呈する。残りは「農薬・化学肥料不使用米」として販売し、収益は事業の資金に充てる。
児童生徒の体験学習、自然農法を学ぶ学生のフィールドワーク、企業の社外研修の場として活用してもらう。新浜地区のイベントとも連携し、沿岸部の復興まちづくりに貢献する。
沢口義男代表は「多くの市民が集まり、学び、憩う場所にしたい。新浜地区の本来の海岸風景を取り戻すことで、復興にも寄与できるのではないか」と話す。
田植え体験は2日午後1時。会員登録は随時受け付けている。連絡先は遠藤耕志事務局長090(8255)9552。