<復興実感度>岩手・宮城で地域差 福島、7町村で帰還意向に開き

東日本大震災からの復旧・復興に関する岩手、宮城両県の調査で、地域間の実感度に隔たりが生まれている。「進んでいる」との割合は宮古市から南三陸町にかけての沿岸部で低く、防潮堤や道路整備などの停滞が皮膚感覚の違いに直結。福島県では、東京電力福島第1原発事故で避難した7町村で、住民の帰還意向に大きな開きが出ている。
「復興実感度」について、岩手、宮城両県が調べた過去3年間の推移はグラフの通り。地域間の格差は埋まっていない。
岩手が5月7日に公表した2018年の調査結果では、市町村の復興が「進んでいる」「やや進んでいる」と回答した住民の割合は、宮古市以南の沿岸6市町が43.4%にとどまった。久慈市や洋野町など北部6市町村の58.5%に比べ、15.1ポイントも下回った。
県が同時期に明らかにした復興関連工事の工程表の改訂版によると、沿岸全12市町村のうち6市町村で防潮堤や水門整備、産業用宅地造成などの完成時期が1年以上先送りされる見通しとなり、うち5市町が南部だった。県復興推進課は「人手不足や他事業との調整、工法見直しの影響を受けている」と分析する。
宮城県が3月に示した17年の調査結果では、津波被災地を抱える4圏域別で実感度が最も高かったのは、仙台や名取など14市町村の「仙台圏域」(62.4%)。石巻、女川など3市町の「石巻」も62.0%に達したが、気仙沼市と南三陸町の「気仙沼・本吉」は46.2%と低迷した。
県震災復興計画の施策重要度に関する問いで、気仙沼・本吉圏域は「交通基盤の確保・整備促進」がトップだった。県震災復興政策課は「リアス海岸の沿岸北部は背後地が狭く、事業などが物理的に進めにくい」と説明する。
福島県と復興庁は原発事故で避難した7町村を対象に、復興を進める上で前提となる住民の帰還意向を尋ねる調査を12年度から実施。3月に17年度の結果をまとめた。
「戻らない」と回答した割合は避難が長期化する4町で高く、双葉61.1%、大熊59.3%、浪江49.5%、富岡46.8%。低線量地区が一定範囲あり、住民帰還が徐々に進む川俣(14.7%)、葛尾(24.2%)、楢葉(27.5%)の3町村とは対照的だった。
県生活拠点課の担当者は「原発に隣接し、帰還困難区域を抱える4町は明らかに復興が足踏みしている。避難先での住宅購入も年々進み、帰還しない意向に拍車を掛けている」と話す。