<みちのく潮風トレイル>亘理・山元ルート 復興の道40キロ開通

東日本大震災の沿岸被災地を歩いて支援する環境省のプロジェクト「みちのく潮風トレイル」で、亘理、山元両町を通る約40キロが5日開通した。今回、尾根を歩くルートが初めて選ばれた。亘理町の尾根を歩く登山道は住民が手弁当で整備しており、関係者から喜びの声が上がった。
開通したのは亘理町側約19キロ、山元町側約21キロ。このうち、亘理、山元両町と角田市との境を通る約8キロが尾根ルートの登山道。亘理町役場から南西約2キロの地点から四方山(272メートル)を通り、鎮魂の鐘がある深山(287メートル)に向かう。
亘理町側の登山道はかつて山に芝刈りに行くときなどに使われていたが、戦後に荒廃が進んだ。地元愛好家でつくる「亘理歩好(あるこう)会」のメンバーが、太平洋や阿武隈川などを見渡せる阿武隈山地の魅力を知ってもらおうと2010年から整備を始めた。
震災後も草刈りなどを行い、14年までに整備をほぼ終えた。15年以降は、看板を設置する作業を続けた。トレイルへの設定は、会のメンバーが環境省に働き掛けていた。
5日は、環境省東北地方環境事務所の常冨豊次長が両町役場を訪れ、山田周伸亘理町長と斎藤俊夫山元町長にそれぞれ地図を手渡した。亘理町役場の行事に出席した亘理歩好会の鈴木光範会長(75)は「やぶを払い、少しずつ道を切り開いてきたかいがあった。交流人口拡大に役立てばうれしい」と喜んだ。
尾根以外では、山元町の震災遺構の旧中浜小などがルートに選ばれた。
地図はトレイルの公式サイトで見ることができる。同省は八戸市から相馬市までの4県に全長900キロ超のルートを設定する。これまでに亘理、山元両町を含め約750キロが開通した。