関電“青森進出”に波紋 中間貯蔵検討にむつ市長「関知しないところで変貌している」と不信感

原子力関連施設が集中する青森県で、関西電力が事業に参画する構想が相次いで取り沙汰され、地元に波紋を広げている。今年1月、関電の原発から出た使用済み核燃料の一時保管先の候補地に同県むつ市の名が挙がり、市が強く反発。その後、同県東通(ひがしどおり)村で建設中の東通原発の共同事業化の協議に関電が加わるとの見方も浮上した。関電は今月、青森市に事務処理拠点を開設。さらに2件目の設置も発表するなど“青森進出”を強めるが、県やむつ市など地元側の受け止め方はさまざまだ。

拠点設置「貢献」?

関電は昨年11月、福井県にある大飯、高浜、美浜の3原発の使用済み核燃料の搬出先について、平成30年中に福井県外の候補地を示すと表明した。東京電力ホールディングス(HD)と日本原子力発電が建設したむつ市の中間貯蔵施設も検討しているとみられる。

今年3月には、東電HDが建設中の東通原発の共同事業化に向けて、東電HD、日本原電、東北電力、中部電力、関電の大手電力5社と政府が協議会を設置するとの見方も浮上した。

関電は、むつ市への使用済み燃料搬入について「方針を固めた事実は一切ない」と否定。東通原発の共同事業化への参画についても、福島第1原発事故で経営が悪化した東電HDの原子力事業再編・統合に巻き込まれるならば「協力できない」(関電幹部)と消極姿勢をみせている。

一方で、青森市内に料金徴収業務や電気の使用・廃止の申し込み業務などを担う2つの事業所の開設を発表。関電は「(事業所と中間貯蔵施設は)関係がなく、核燃料サイクル事業の支援に対する貢献」としているが、地元では中間貯蔵施設の利用を念頭に「地ならしのための地域振興」(県関係者)と受け止める向きもある。

憤りや困惑

具体的な説明を避ける関電に対し、青森県側では憤りや困惑が広がっている。

むつ市の宮下宗一郎市長は今月4日の記者会見で、関電が使用済み燃料を搬入するとの報道について「われわれの関知しないところで事業の姿が変貌している」と不信感を表明。5日には資源エネルギー庁の日下部聡長官と面会し、国の認識を問いただした。

県は、関電の意向について「何も情報がないので動きようがない」(県エネルギー総合対策局)とし、表向きは静観の構えを見せる。

むつ市の商工関係者は、中間貯蔵や東通原発に関電の名が挙がるのは「電力会社の原子力事業を連携、再編させる流れの一環ではないか」と指摘。「地元住民の間では、関電がむつで事業をしてくれれば地域活性化につながるという歓迎の声も多くある。市長や一部住民が反発するのは、説明してもらえないから。筋を通してくれれば協力したい気持ちはある」と話した。