<民泊>東北の届け出 低調30件 規制や煩雑な手続きが壁に

15日に施行される住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく東北での届け出数が伸び悩んでいる。営業が年間180日以下に限られる上、手続きが煩雑で二の足を踏んでいるとみられる。民泊活用で交流人口の拡大を期待する声は多いものの、低調なスタートとなりそうだ。
東北の5月末時点の状況は表の通り。届け出は計30件で、仙台市を含む宮城県が10件で最多。山形は2件、秋田は1件だけだった。全国では5月11日時点で724件の届け出があった。
届け出には住宅の図面や登記事項証明書、消防法令適合通知書の添付が必要。避難経路の表示や非常用照明器具の設置が求められる場合もある。
福島県観光交流課の担当者は「もっと多くの届け出があると思っていた。準備する資料が多いためではないか」と低調な理由を指摘する。
仙台市は世界最大手の民泊仲介サイトへの登録件数と同程度の約60件を見込んでいた。
市中心部の住居専用地域で土曜以外の宿泊を原則禁止する独自の条例制定が響いたとの見方もあるが、市生活衛生課は「条例はあくまで平穏な住環境を守るための規制。民泊の問い合わせは多く、届け出の準備が整えば増えるだろう」と説明する。
届け出が受理されたのは、仙台市や塩釜市、福島市などの計9件。いずれも家主がいる住宅の一室に泊まる「家主同居型」で、提出書類が比較的少ないため手続きがスムーズだった。
住宅の空き部屋に旅行者らを安価に泊められる民泊は、訪日外国人旅行者(インバウンド)の増加や2020年東京五輪を控え、幅広く関心が高まっている。
若林区の不動産賃貸業者は「空室を有効利用できるため関心はあるが、手続きや設備面でハードルは高い。当面は地元や首都圏など他地域の動きを様子見したい」と語った。

[住宅宿泊事業法(民泊新法)]民泊の基本ルールを定めた法律。保健所を設置する自治体の長に届け出をした家主には、民泊住宅と分かる標識の掲示や宿泊者名簿の作成、定期的な清掃を義務付けた。違反すると業務停止命令などが出され、従わない場合は懲役刑や罰金刑が科される。無届け営業は旅館業法違反に問われる。