府立高全日制から私服姿消す 消えゆく京都の学校文化

京都府内の全日制府立高で唯一、生徒が私服通学している朱雀高(京都市中京区)が、来春入学の1年生から制服を導入する。中学生の保護者や卒業生らから「制服がある方が統一感があっていい」といった意見があったためだ。府内ではかつて私服通学が広まった時期もあったが、今では多くが制服を取り入れており、生徒からは消えゆく京都の学校文化を惜しむ声がある。

朱雀高では、受験生が志望校を選べる単独選抜入試が2014年に導入されて以降、志願者数が低迷していた。中学生の保護者や中学校の教職員、卒業生から制服を望む声も寄せられていたため、来年4月の普通科のコース改編など学校改革に合わせ、昨夏から制服導入の議論を始めた。

生徒や教員の一部からは「朱雀で積み上げてきたことを捨てることにならないか」「私服通学だから朱雀を選んだのに」と反対の声も出たが、「学校が前向きに変わるなら良い」と理解を示す意見が多かったといい、導入を決めた。

生徒や保護者、同窓会、教職員が投票してデザインを決定。男女とも紺色のブレザーで、スクールカラーであるえんじ色のネクタイを着用する。

府立高の私服通学は1960年代後半の学生運動などを反映し、自主性を重んじる生徒自治の象徴として広がった。府教育委員会によると、特に京都市・乙訓通学圏では74年、全9校で正式な制服を決めていなかった。朱雀高では72年に生徒と学校が「制服制度を廃し、自由服にする」との覚書を交わした。

一方、75年に開校した府立高で制服が導入されると、77年以降、各校が相次ぎ制服化した。来年度以降、全校私服通学は京都市立の紫野高と銅駝美術工芸高のみとなる。

朱雀高の増田恒校長(55)は「前向きに変わる朱雀をアピールしたい」と説明。生徒会に当たる学友会会長の2年生の男子生徒(16)は「生徒の個性が出る私服通学がなくなるのは残念だが、学校生活のさまざまな取り組みの中で一人一人が個性を発揮できる学校にしたい」と前向きに話した。