西日本豪雨の被害 水害危険エリアの80%を占める広域で発生か

活発化した前線によって約4日間続いた大雨で、西日本中心にかつてないほどの広範囲で浸水・土砂災害が発生しています。

ウェザーニュースでは被害の全容を一刻も早く明らかにし、救出・復旧作業や減災につなげていただくため、被害状況に関する緊急アンケートを現地の皆様に対し実施致しました。(調査期間:2018年7月7日~ 回答数:22,395人)

複数のビッグデータ分析の結果、多いところでは国や各自治体が定めている水害リスクが高い地域の約80%で、冠水や浸水被害が発生した可能性が高いと言えそうです。

4つのデータを重ねて判明した、歴史的水害の実態

今回、緊急アンケートでは「一番水位が高かったときの浸水状況」を伺っており、集まった回答をマッピングしています。

このデータも含め合計4つのデータを照らし合わせて分析しています。

・浸水想定域
国や都道府県などの河川管理者が、流域に降る雨の量や堤防が切れる場所など情報から河川がはん濫した場合に、浸水が想定されると定めた区域。

・低位地帯
国土交通省が算出した、周辺部よりも標高が低く、排水が困難である地帯

・積算降水量
大雨の降り始めから降り終わりを7月4日18時~8日18時とし、約4日間の期間にて気象庁レーダーの画像から降水量を積算

・冠水/浸水の被害情報
22,395人からのウェザーニュースに寄せられた被害の情報(上記のマップ)

これらのデータをもとに、雨量が嵩んだ地域で何が起こったのかを分析しました。

水害リスクの高いエリアと浸水被害の報告エリアが一致

西日本を中心に俯瞰してみると、水害リスクの高い浸水想定域および低位地帯、と緊急アンケートで浸水被害が報告されてたエリアがほぼ重なっていることがわかります。

さらに被害が出ているエリアと雨量の関係を分析すると”400mm”という数字を境に被害が大きくなっていることがデータ解析から分かりました。

岡山・広島・愛媛などは80%もの広域で浸水被害発生

特に被害が大きい地域にズームしてみると、アンケートで寄せられた回答では、特に河川が氾濫した広島、岡山、愛媛に腰以上の高さの報告が目立っています。

これらの報告に対し2つのデータを照らし合わせます。

水害リスクが高いエリアのうち、4日間累計で400mmを超える雨が降った割合を計算してみました。

割合が高かった府県を上から並べてみると以下のようになります。

▼水害危険エリアの水害発生率(想定)
高知県 82%
京都府 81%
広島県 80%
岡山県 75%
兵庫県 74%
愛媛県 62%
大阪府 62%
※数値が高い一部の府県を記載
※数値は人的被害の割合とは異なります

アンケートによる被害状況のデータとこの割合を統合すると、水害に脆弱かつ4日間で400mm以上の雨が降ったエリアは、水害に見舞われた可能性が高いと裏付けられるわけです。

水害が想定された地域のほとんどで被害が発生

平成最大の被害とも言われている今回の記録的豪雨は、4日間でおよそ59,500平方キロメートル(図中の黄色の部分)という極めて広い範囲に、大量の雨量を記録。

水害に対し危険とされていたエリアのほとんどに深刻な被害をもたらしたことがデータ分析から解明されました。

今後も本緊急アンケートのデータは随時公開してまいります。
復旧・救助作業、また今後の二次災害防止のため各機関の対応に少しでも助けとなればと思います。

また今回影響が小さかった、あるいは無かった地域では、ハザードマップや地域の過去災害歴を調べてみるなど、今一度リスクに対して出来ることはないか検討していただければと思います。

ウェザーニュース