菅原経産次官「中小企業、地域活性化図る」

経済産業事務次官に7月31日付で就任した菅原郁郎氏(58)=宮城県栗原市出身=は12日、河北新報社の取材に対して「中小企業や地域を支援し、アベ ノミクスの成果を東北にも広げたい」と抱負を述べた。東日本大震災からの復興では「経済再生のため、可能な限りの対策を打つ」と強調した。(聞き手は東京 支社・小沢邦嘉)

-安倍政権の経済政策「アベノミクス」の成果は。
「日本経済はレベルアップし、デフレ脱却に手が届く段階。企業収益の改善、賃上げという好循環も生まれている。今後の課題は企業の中長期的な成長のための設備投資をどう増やすかと、中小企業や地域経済を活性化させる『ローカル・アベノミクス』の実現だ」

-東北では「景気回復を実感できない」との声が根強い。
「霞が関が縦割りでばらばらに地方再生に取り組んでいた影響もある。地方の市場は縮小し、待ちの姿勢では再生は難しい。中小企業や個人事業主に積極的に経営を改善してもらう取り組みを強化したい。地方創生の施策ともリンクさせ、省庁が連携して支援する」

-人口減少が地域再生のハードルとなっている。
「自然豊かな地方こそ子育てに適していることを若者に訴えたい。経産省としても子育て環境の向上に関わり、これまでの概念にとらわれない政策を打つ」

-震災被災地の復興状況をどうみる。
「残念ながら、思い描いたほどのスピードでは進んでいない。国の踏み込みが足りなかった反省もある。被災地で仕事を作り上げ、経済を再生させたい。被災地出身として、霞が関全体で震災を風化させず、可能な限り支援に努めたい」

-原発への国民理解が深まらない中、九州電力川内原発が再稼働した。
「われわれの努力不足や、説明が不十分な点を反省する必要がある。いざというときに日本経済が困らないためにも、エネルギーの多様性は必要。電気料金の問題、地球温暖化、エネルギー安全保障など複雑な要素が絡むが、国民に分かりやすく説明する努力を続けたい」

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Posted by takahashi