“中年をこじらせた”イタいおじさん5つのタイプ

40歳になったからと誰もが「不惑」の境地に至るわけではない。むしろ人生の折り返し地点 として惑ってしかるべきだ。仕事の業績が頭打ち、増えた体重が戻らない、流行にうとくなった、めっきりモテない……。四十路前後で誰もが直面するのが、こ うした心身の変化に対する戸惑いだ。しかし、いつまでも若いつもりで問題を放置していると、いわば“中年をこじらせた”イタいおじさんになってしまうだろ う。

そんな“こじらせ中年”の代表的な5つのタイプを、男性が抱える問題を研究する「男性学」の専門家・田中俊之氏と、『男をこじらせる前に』などの著書を持つ著述家の湯山玲子氏に挙げてもらったのが下記の通りだ。

<“中年をこじらせた”イタいおじさん5つのタイプ>
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●若者気取りおじさん
自分が中年であることを受け入れられず、心はまだまだ20代。流行についていこうと必死だが、「LINEスタンプのチョイスがなんか違う」と陰で笑われている

●会社が命おじさん
「最近の新人は仕事をナメてるよな」と“デキる俺”を気取っているが、台風直撃の日に前泊して定時出社するただの社畜体質。出世街道からはとっくにコースアウト

●上から目線おじさん
若者はすべて無知で未熟と決めてかかるが、偉そうに講釈を垂れる情報はすべて10年古い。遠慮して誰も本心を言わないのを「尊敬されている」と勘違いしたまま

●クレーマーおじさん
常にお客様気取りで文句ばかり。テレビを見ながらAKBのコをブス呼ばわりするなど、流行りの文化をdisりたがる。Amazonレビューでボロクソの酷評を書きがち

●まだモテたいおじさん
恋愛対象がいつまでたっても女子大生や20代前半女性のまま。「40代男性は若いコにモテる」を妄信し、自分のことを西島秀俊や大沢たかおと同列と思い込んでいる

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40代で急増するというこの“こじらせ中年”。その原因として田中氏はまず「自分の年齢を受け入れられていないこと」を挙げる。

「この時期の男性は、自分の年齢に対する“感覚”と“現実”とがズレていて、“自分だけは例外的に若い”と思い込んでしまうことが多い。ズレてしまった“感覚”のほうを信じたくて、『お若いですね』といったお世辞も真に受けてしまいがちです」

こうした思い込みが、「若者気取りおじさん」を生んでいるのだ。

また、湯山氏は、日本の男性特有の「してもらって当然」というお客様体質が、「上から目線おじさん」や「クレーマーおじさん」を量産していると指摘する。

「これまで男性は、子供の頃は母親に、大人になったら会社に従えば、人間関係にコストと時間を割かなくてもやってこれた。つまり“お子ちゃま”でいられたんです。結果、今の40代男性には“サービスだけ受けたい”というセコい考えが染み付いています」

会社に忠義を尽くせばなんとかしてくれるという受け身の発想は、「会社が命おじさん」がはびこる温床にもなっている。田中氏は、

「男性は所属する組織に依存しがちで、ブラック企業などから理不尽な待遇を受けてもおかしいと感じなくなってしまう。仕事一筋で生きた結果、定年後にやることがなくて途方に暮れる人も多いんです」と警鐘を鳴らす。

「まだモテたいおじさん」も厄介な存在だ。

田中氏曰く、「40代になっても20代女性と付き合えるのは、ごく一部の男性だけ。私たち普通の男性がこれまでモテなかったのに、40代になって急にモテることはありません」とバッサリ。

湯山氏も手厳しく、「カネやコネを目当てに若いコが近付いてくるのをモテと勘違いしていませんか。本当の女好きはめちゃくちゃ尽くす努力家で、俺様ぶってる男性には真似できませんよ」。

【田中俊之氏】
武蔵大学社会学部助教。社会学・男性学・キャリア教育論が専門。著書に『男がつらいよ』(KADOKAWA)、『〈40男〉はなぜ嫌われるか』(イースト新書)など

【湯山玲子氏】
著述家・ディレクター。『スッキリ!!』(日本テレビ)、『バラいろダンディ』(TOKYO MX)レギュラー。近著に『男をこじらせる前に』(KADOKAWA)