スマホを”完璧に使いこなしている”人はわずか8.3% — MMD 研究所が『スマートフォン白書2012』を公開

昨年に続きスマートフォンの普及が加速している2012年。昨年の秋からは携帯キャリア各社が発表する新端末もほとんどスマートフォンが占めるようになってきた。ユーザー数が大幅に増加する中、その利用実態から浮き彫りになるユーザーの特徴にはどのようなものがあるのだろうか。
MMD 研究所は、スマートフォンユーザー900名を対象として「スマートフォンインサイト調査」を実施。調査結果を『スマートフォン白書2012』として公開した。調査期間は2012年1月20日から24日。調査方法はインターネット調査による。
● 「スマートフォンが完璧に使いこなしている」人、1割に届かず
スマートフォンには様々な機能が搭載されており、またアプリやクラウドサービスを使いこなせば様々な機能を付加することで活用の幅を広げることができる。しかし、回答者の中で「完璧に使いこなせている」と思っている人はわずか8.3%と少数派で、多くのユーザーは多機能なスマートフォンを完璧に使いこなしているという実感が薄いようだ。一方、「ほとんど使いこなせていない」「全く使いこなせていない」を合わせると、6.9%は「使いこなせていない」と感じている。これは、スマートフォンをもっと有意義に活用したいというユーザーの欲求と捉えることも可能だろう。
スマートフォン、使いこなせていますか?
スマートフォン、使いこなせていますか?
アプリのダウンロード数(有料・無料を含む)は、最も多い回答で「11~20個」で、平均は35個となった。また、定期的に使用しているアプリは「1~5個」という回答が最も多く、平均は9個となった。ダウンロード数が「1~10個」と少ないユーザーにアプリをあまりダウンロードしない理由を聞いたところでは、「端末のストレージ容量が気になる」(38.2%)、「ウイルスなどセキュリティ面が不安」(37.1%)などが挙がっている。
アプリをダウンロードしない理由は?
アプリをダウンロードしない理由は?
一方、有料アプリのダウンロード数の平均は8個となっているが、全体の56.2%は「有料アプリをダウンロードした経験がある」と回答している。「有料でも購入したいアプリ」を聞いたところでは、「有名ゲーム」「ミュージック系」などプレミアム感の高いエンターテインメント系アプリや、「地図・ナビ・交通系」「セキュリティ」などスマートフォン利用になくてはならないものが挙がっている。
● 「スマートフォン=料金が高い」イメージ強く、料金プランに対する不満は約半数
「スマートフォンを購入する際に不安に思ったこと」についての質問では、「料金が高くなりそう」という回答が最も多く58.3%となった。また、現在の料金プランに関する満足度については、46.7%が「不満」と回答している。「スマートフォン=料金が高い」というイメージは強く、携帯電話各社はユーザーニーズを満たす料金プランを打ち出すことが満足度向上の条件になると言えそうである。
スマートフォンの料金プランに対する満足度
スマートフォンの料金プランに対する満足度
一方、最近はスマートフォンが Wi-Fi ルーターの役割を果たす「テザリング機能」を搭載したモデルも多数登場しているが、Wi-Fi の利用実態に関してはどうだろうか。自宅で Wi-Fi を利用するユーザーは65.9%に達しているのに対して、屋外で Wi-Fi を利用するユーザーは38.2%となった。自宅での利用は定着しつつあるものの、「日常的に使う」というレベルには達していないようだ。
また、3G 回線、Wi-Fi、次世代高速通信など多様化する通信ネットワークの使い分けについては、「意識したことがない」というユーザーが37.8%と最も多く、「適宜使い分けている」と回答した20.6%を上回る結果になった。利用歴別に見ると、スマートフォン利用歴が長いほど「適宜使い分けている」と回答した割合が高いようだ。
多様化する通信ネットワークの使い分けはしている?
多様化する通信ネットワークの使い分けはしている?
このように、調査結果を総合すると、料金が高く感じる点や多様化する通信ネットワークへの理解が不十分な点などが、スマートフォンそのものへの不満や「スマートフォンを使いこなせていない」という感想に繋がってることが予想できる。携帯電話キャリア各社には、今後シンプルでわかりやすいサービスの提供やユーザーの不満を解消する料金プランの展開など、顧客満足度を向上させるための様々な施策が求められることになるだろう。
● スマートフォンブランドの認知、上位は順当な結果に
ちなみに、調査ではスマートフォンのブランド人気調査についても行なっている。携帯電話端末がスマートフォンになったことで目立つのは、各社が商品名に付けるブランド名だ。フィーチャーフォンは各携帯電話会社の呼称方法で製品名が決まっていたが、スマートフォンでは各端末メーカーが製品を印象づけるためにそれぞれ独自のブランドを展開している。
回答者が選んだ「スマートフォン端末として想起されるブランド」「次回機種変更するなら選びたいブランド」は、いずれも1位が「iPhone」(Apple 製)、2位には「Xperia」(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製)、そして3位が「Galaxy」(サムスン電子製)がトップ3という結果となった。以下4位に「AQUOS PHONE」(シャープ製)、5位に「REGZA Phone」(東芝及び富士通製)と国内メーカーのブランドが続いている。

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Posted by takahashi