<住宅着工>東北3年ぶり増 福島伸びる

国土交通省がまとめた2016年の東北の新設住宅着工戸数は、前年比3.0%増の6万4748戸で3年ぶりに増加した。復興需要の減速が一巡し、福島などで前年実績を大幅に上回った。
県別の着工戸数は表の通り。岩手は3年連続、宮城は2年連続の減少。他の4県は2年連続で増えた。
持ち家は0.3%増の2万8383戸で2年連続の増加。青森は7.8%増の3597戸、岩手は0.7%増の4458戸、秋田は6.7%増の2669戸だった。宮城は3.1%減の7493戸、山形は1.0%減の3046戸、福島は1.7%減の7120戸だった。
アパートなどの貸家は3.0%増の2万7439戸。宮城と岩手は一部市町村で災害公営住宅の着工が一段落し、それぞれ2桁のマイナスとなった。一方で福島は30.7%増の8814戸と大幅に伸びた。
住宅金融支援機構東北支店は「宮城と岩手がマイナスになったのは災害公営住宅の建設が一段落したためとみられる。持ち家は横ばいだが、震災前から見ると高水準が続いている」と分析する。
全国の16年の着工数は前年比6.4%増の96万7237戸で、2年連続の増加となった。うち貸家は10.5%増で、相続税の節税目的に加え、日銀のマイナス金利政策を受けて資産運用のためにアパートを建てる動きが広がった。持ち家は3.1%増、分譲は3.9%増だった。