加齢に合わせた照明を 60歳で20歳のときの3倍以上の明るさが必要

★住まいの処方銭・生活をより快適に(1)

新年度。住生活も新しくより快適にしたい。

「最近、夜になると文字が見えづらい」。こう思うことはないだろうか。年齢を重ねるに従い、視力は低下していく。(一社)日本照明工業会(東京都台東区)は「年齢とともに、水晶体が黄色になってきて、青色が見えづらくなる。視力も低下し、60歳で20歳のときの3倍以上の明るさが必要といわれている」と話す。

そこで、天井照明を取り換えたり、手元スタンドを置いたりして、見えやすくしたい。

ただ、子供や孫と一緒に暮らしているならば、明るい照明にするのは、難しいかもしれない。そんなときは「明るさや色の調節ができる照明を選べば、使う人によって、合う明かりになる」(同工業会)。

最近では、暖かみのある暖色系と、はっきり見える寒色系を一つの照明で自在に変更できるタイプが増えている。照度調節ができる上、リモコン式も一般的だ。ぜひ検討してみよう。

天井に取り付ける照明のなかでもシニア向けなのが、日立アプライアンス(東京都港区)の「LEDシーリングライト『深夜灯』搭載タイプ」。夜、トイレに起きるシニアは少なくないが、そのときに点灯したライトが明るく、寝つきが悪くなることがある。だが、保安灯では、うす暗く、転倒するリスクもある。

同製品の深夜灯は、保安灯より明るく、カバー全体がほんのり光るのが特長だ。5秒かけてゆっくり点灯するので、目にも優しい。暗がりでも探せるように、リモコンには蓄光ボタンやシールが貼られている。青緑色の光と明るさが1・2倍にアップ(同社調べ)した「ラク見え」機能もある。細かい文字がよりくっきり、色がより鮮やかに見え、寝室でも読書や写真を楽しめる。

オープン価格だが、8畳までの深夜灯搭載タイプは税込み2万円前後(独自調査)が目安のようだ。

天井の配線器具が該当する3つのいずれかのタイプであれば、電気工事なしで取り付け可能。場合により工事が必要なこともあるので、事前にカタログや電気店で確認をしたい。 (不動産・住生活ライター 高田七穂)