慰安婦・沖縄…公正さ欠ける対日批判 国連人権理報告に日本政府が猛反論

国連人権理事会の「表現の自由」に関する特別報告者、デービッド・ケイ氏が12日午後(日本時間同日夜)、スイス・ジュネーブで開会中の同理事会で、対日批判を展開した。一部の市民活動家や左翼メディアの主張に耳を傾け、日本政府の説明に背を向けたといえる。公正・公平な姿勢が疑われそうだ。

ケイ氏は報告で「特に懸念する」として、(1)政府当局からのメディアに対する直接的または間接的な圧力(2)一部の歴史問題に関する限定的な言論空間(3)安全保障分野に関する情報へのアクセス制限-の3つを挙げた。

歴史教育をめぐっては、慰安婦問題について「第二次大戦中の慰安婦虐待」との表現を用いた。沖縄での反米軍基地運動についても、政府がデモを制限しているとして改善を求めた。

これに対し、日本政府は伊原純一・在ジュネーブ国際機関日本政府代表部大使が、「わが国の説明や立場に対し、正確な理解のないまま記述されている点があることは遺憾だ」などと英語で強く反論した。

ケイ氏の報告は今後、市民活動家や左翼メディアが日本政府を批判する際に利用されそうだ。「マッチポンプ」という言葉が頭に浮かぶ。