どんなに願っても、過去には戻れない。だけどもし、時間を巻き戻して若い頃に戻ることができたなら?9月18日の「なるみ・岡村の過ぎるTV」(朝日放送)では、街のアラフィフ男女100人に「もし20代に戻れるのなら何がしたいか?」を問いかけた。

心身ともに疲れや老いが顕著になるアラフィフと比べ、20代は人生のうちでも最もエネルギー溢れる世代。そんな時代に戻ることができ、やりたいことができるのだとしたら、それはもう「遊び」しかないのではないか?(文:みゆくらけん)

年を取ると勉強しても「なかなか入ってこない」という現実……

ところが、筆者のそんな安直な予想と違ってトップとなったのは「勉強」という回答だった(100人中27人)。インタビューでは

「もっと英語を喋れたらよかったなって。そしたらもっと海外に行けた」
「もっと専門的な知識を習得してたらよかったと思います」

という声が挙がっていた。5位の「留学」(7人)も「勉強」のカテゴリーに入ると考えれば、実に3分の1以上の人が20代のうちにもっと勉強しておきたかったということになる。

若い頃はピンとこなくても、たくさんの知識を吸収し自分のモノにしておくことが、後のちの人生をより充実させてくれるということなのだろう。

アラフィフになっても勉強することは可能だが、「今からでもできるのだろうけど、なかなか(頭に)入ってこない」という女性の言葉が脳の吸収率低下を物語る。

20代は仕事で忙殺されていた岡村は「めちゃくちゃ遊びたい」

勉強に次ぐ回答は順に「恋愛・結婚をやり直す」「派手に遊ぶ」というもの。具体的には「イケメンと付き合ってみたい(実際はだめんずだったから)」「合コンに行ってみたい(一度も経験せずに結婚したから)」「お金持ちと結婚したい(お金に苦労しない生活に憧れるから)」などという声があった。

番組MCの岡村隆史は自身の20代を振り返り、「楽しいことが一個もなかった」とコメント。20代に戻ってやってみたいことを問われると

「俺もう、20代やったらめっちゃくちゃ遊びたい!」

と即答。人気が爆発し、お金もあったが遊びは皆無という仕事漬けの日々だったようだ。同じくMCのなるみも過去に戻れたらなら「(合コンや女友達と旅行など)普通の20代女子がすることがしてみたい」とコメントしている。

今回の様々な回答から感じたのは、結局は「ないもの(現在手にしていないものや経験していないもの)」を求めてしまう、ということだ。岡村だって、仮に20代に遊びまくっていたら、今の地位はなかったかもしれない。そして遊びまくっていた自分の過去を振り返り「あの頃にもっと仕事に邁進していたら」と後悔しているかもしれない。

街のインタビューでも、「20代の頃にモテまくってブイブイいわしてた」風おねえさんは「勉強したかった」と回答しているし、女性とあまり遊んでこなかった真面目風男性は「合コンで王様ゲームをやってみたかった」と答えている。やはり、ないものねだりである。案外人生は、平等にうまくできているのかもしれない。