若林、バカリズム、ヒロシ…「こじらせ男子」はなぜ人気?

今、芸能界で「こじらせ男子」が注目を浴びている。その代表格がオードリーの若林正恭(40)、バカリズム(42)、ヒロシ(46)である。マイペースで自虐的、斜に構えたコメントはボディーブローのようにじわじわ効く。草食男子で人見知り、女性に奥手という共通項もある。

若林は、エッセー「ナナメの夕暮れ」(文芸春秋)を出版。「8月末に発売し1カ月弱で10万部を突破しました。順調に部数を伸ばしています」(文芸春秋宣伝担当)という。今年9月、交際していた南沢奈央(28)とは1年で破局。両事務所公認にもかかわらず、お泊まり報道もなく、熱愛期間があったのかすら疑われているこじらせぶりだ。

バカリズムは、レギュラー11本、準レギュラー8本。OLになりすましてつづったブログ「架空OL日記」は書籍、ドラマ化され、12月からは「ZIP!」(日本テレビ系)内のショートドラマ「生田家の朝」の脚本も担当するなど超多忙。

「ヒロシです」で一世を風靡したヒロシは、YouTuberに転身。“地味でつまらない”動画なのにチャンネル登録者数は20万人を突破、現在セカンドブレーク中だ。

このような「こじらせ男子人気」を明大講師の関修氏(心理学)はこう分析する。

「トランプ大統領のように直情的にモノを言う“言ったもの勝ち”がまかり通る時代に、一歩引いて意見を述べる人は希少価値のある存在になりました。いったん自身の思考を通して発した含蓄あるコメントは“時代の賢者”の感すらあるのです」

支持しているのは、彼らと同年代の30〜40代が中心だ。

「この世代は、ツイッター世代の直情的な若者と権力を持った年長者に挟まれ、鬱積がたまる年代。こじらせ男子はその代弁者。おそらく、子供の時から人に合わせるのが下手で、かといってつまはじきにされるでなく、永世中立国的な立場を築いてきたであろう彼らの、マイペースでストレスの少ない生き方に憧れているのです」(関修氏)

今やこじらせ男子は問題児ではなく、ストレスフリーな時代の賢者といえる。面倒くさいけど。