アジア企業統治ランキング、日本は7位に転落 首位は豪州

[香港 5日 ロイター] – アジア企業統治協会(ACGA)と証券会社CLSAがまとめたアジアの企業統治ランキングによると、日本は7位となり、前回の4位から順位を3つ落とし、インドと同順位だった。

ACGAとCLSAは2年ごとに調査を実施している。

ACGAとCLSAの報告書は、日本がより厳格な規制措置を行っていないとして批判。「重要ではあるものの、厳しい規制改革よりもソフトローに焦点を当てることは、規制当局が少数株主の権利を巡る問題に対処していないことを意味する」との見解を示した。

また社外取締役や監査委員会を通じた取締役会レベルの監視強化による日本のガバナンス改善への取り組みは見栄えはするものの、実際は多くの企業の取締役会ではほとんど変化はみられていないとした。

オーストラリアがランキングで首位となり、スコアは71だった。ただ同国では今年、金融セクターでの不正行為が明らかになっている。

香港とシンガポールがオーストラリアに続き、スコアはそれぞれ60と59。日本のスコアは54だった。

報告書は香港とシンガポールについて、証券取引所が2種類の株式(デュアルクラス・シェア=DCS)を持つ企業の上場を容認する規則変更を行ったとして批判した。

ACGAのジェイミー・アレン事務局長は報告書で、香港とシンガポールでの規則変更が「波及する」ことを同協会が懸念しているとし、韓国も規則変更を検討していると指摘。報告書は「DCSの支持者はこれをニューノーマル(新常識)にしようとしている」とした。

中国、フィリピン、インドネシアのランキングが最も低く、スコアはそれぞれ41、37、34だった。