韓国政府、アダルトサイトを11日から遮断…「独裁時代か」の声も

アダルトサイトなど政府が不法と規定した有害サイトへの接続が11日から全面的に遮断された。

IT業界によると、KTなど韓国国内インターネットサービス事業者(ISP)は当局の要請を受け、11日から「サーバーネームインディケーション(SNI)フィールド遮断方式」を利用したウェブサイト遮断を始めた。この遮断方式は以前より強力なウェブサイト遮断技術。審議当局の関係者は「11日の一日間に約800件のウェブサイトがSNIフィールド遮断方式で接続が遮断された」と伝えた。

サイトが全面的に遮断されると、一部からは表現の自由の委縮や盗聴、検閲問題が指摘された。またISPの顧客センターやSNSなどでは特定サイトに突然接続できなくなった理由について使用者の問い合わせが集中した。

当局が従来使用した「URL遮断」はプロトコル「https」をアドレスバーに入力する方式で簡単に避けることができる。昨年10月に導入された「DNS(ドメインネームサーバー)遮断」方式もDNSアドレス変更などで迂回が可能だ。

今回導入したSNIはウェブサイト接続過程に適用される標準技術をいう。当局は接続過程でやり取りするサーバー名(ウェブサイトアドレス)が暗号化されずそのまま露出するという点を考慮して遮断を始めた。

当局のこうした決定に対し、有害情報の遮断などが目的ではあるとはいえ「表現の自由が委縮する」という声が出ている。ソン・ジウォン弁護士は「SNIフィールドを遮断するには、政府が機器間を行き来するパケット(データ伝送単位)を見るしかない」とし「インターネット利用者の表現の自由が委縮するだろう」と聯合ニュースを通じて述べた。

一部の男性はこの日、オンラインコミュニティーを通じて「成人が自由にアダルト動画も見られないのはおかしい」「独裁時代だ」「時代に逆行している」などと主張した。

また「有害サイト遮断」を目的に暗号化されていない個人情報を監視することに対する適切性問題を指摘する意見もある。IT専門市民団体オープンネットは「暗号化されていないSNIフィールドは一種のセキュリティーの弱点と見ることができるが、これを政府の規制に活用することが適切なのか疑問」とし「不法サイト遮断の目的だけに活用されるという保証はない」と指摘した。