教訓の碑61基建立 宮城大・石巻専修大生「波来の地」に

 東日本大震災の教訓を後世に伝えるため宮城大と石巻専修大の学生が20日、亘理町の7カ所の津波到達地に「波来(はらい)の地」の石碑を建立した。ことし2月から取り組んできた第1期の61基分がこれで終了。今後は県がプロジェクトを引き継ぎ、来年3月までに計311基の建立を目指す。
 建立地はJR浜吉田駅、町吉田支所、中央工業団地など。このうち津波で約70センチ浸水した吉田中(生徒116人)では学生11人が、中学校の生徒や被災し一緒に学ぶ長瀞小児童らと式典を開いた。
 学生は児童生徒の代表と一緒に土台にセメントを塗って最後の仕上げをし、全員で黙とうし震災犠牲者の冥福を祈った。吉田中生徒会長の千葉拓郎君(2年)は「犠牲者の思いを忘れず、勉強や部活に頑張りたい」と石碑に誓った。
 プロジェクトには両大学の学生約70人が参加。同町のほか仙台、石巻両市や南三陸町など県内4市4町に建立した。メンバーは企業などに1基5万円で購入してもらう形で協力を求め、地権者との交渉にも当たった。
 代表を務める宮城大事業構想学部3年の川熊綾香さん(21)は「大変な作業だったが、被災地の学生として震災に関わるプロジェクトに取り組めたことを誇りに思う」と感慨深げ。指導した同大の三橋勇教授も「ここまで成し遂げたのはたいしたもの」とほめた。
 県が事業を進める今後も、学生らは全国の大学に協力を呼び掛けるなどサポートを続ける。石巻専修大経営学部3年の渡辺良彰さん(20)は「311基を全て建立するまで僕たちの役割は終わらない。周知活動など、できる範囲で取り組みたい」と話した。

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Posted by takahashi