<気仙沼大島大橋>案内板なく「迷子」続々、気仙沼市に苦情など60件

7日に開通した気仙沼市の大島と本土を結ぶ気仙沼大島大橋に関し、橋までのアクセスの分かりにくさや、観光情報の不備に対する苦情や問い合わせが相次いで市に寄せられていたことが9日、明らかになった。
 市観光課によると、問い合わせや苦情は8日だけで60件に達した。3割以上が「橋までの行き方が分からない」と、気仙沼市中心部から橋に向かうアクセスの分かりにくさを指摘する声だった。
 市内には大島大橋に誘導する案内板がほとんどない。特に、鹿折地区の県道から大島大橋がある県道大島浪板線までの経路に戸惑った利用者は多いという。島に入ってから迷った観光客の苦情もあった。
 他には「島の見どころはどこなのか」「島まで運行するバスはあるのか」「橋は有料か」など細やかな情報を求める指摘もあった。
 7日は一般の通行が始まった午後3時から午後6時ごろまで、島の船着き場がある浦の浜周辺の県道が仙台や県外ナンバーの車で混雑した。渋滞対策も今後の大きな課題だ。
 市は11月下旬まで、土日祝日を中心に島内の6カ所に交通誘導員や市職員を配置する方針。9日には市と県気仙沼土木事務所の担当者が、渋滞緩和や案内板の在り方などの対応策を話し合った。
 9日にあった定例記者会見で菅原茂市長は「道路を管理する県に開通後の状況を伝え、必要な措置を取ってもらう。交通誘導員の適切な配置方法は、早急に決めなければならない」と危機感を示した。