「ご飯と味噌汁」が最高の長寿食だった!

ご飯と味噌汁に、焼き魚。いわゆる一汁一菜の食事は日本人の健康長寿の礎となっていると力説するのは、『正しい塩分の摂り方 味噌の力で医者いらず』などの著書がある、女子栄養大学の五明紀春教授(副学長を兼務)だ。

「ご飯と味噌汁を基本にした食事は栄養学的にも優れ、また最近の研究でさまざまな疾病を予防、改善することも分かってきました。日本人はこの食文化をもっと見直すべきだと思います」

 皆さんの中には「ご飯は炭水化物の塊だから」と敬遠する向きもあるだろうが、そんなことはない。

「米にはタンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維が、たっぷり含まれています。カロリー的にも、6枚切りの食パン2枚よりお茶碗1杯のご飯のほうが、ずっと低いんです」(グルメ誌編集者)

 最近は炭水化物を抜く糖質制限ダイエットがブームになっているが、東北大の都築毅准教授らの研究によると、糖質制限をさせたマウスは標準的な餌を与えたグループと比べて寿命が短く、記憶力も半分程度に低下していたという。

 人間も炭水化物が不足すると体温の熱源が不足して病気を呼び込んでしまったり、脳への糖質が不足して集中力がなくなったり、イライラしやすくなる。実際、「炭水化物を抜くと認知症になりやすい」と指摘する専門家もいるほどだ。

 ご飯とセットになっている味噌汁の健康効果は、さらに大きい。

「味噌は大豆を麹菌で発酵させる過程で、健康にいいさまざまな物質が生成されます。近年の研究で、がんのリスクを下げたり血糖値や血圧を下げる効果、さらにうつ病を改善する働きがあることが明らかになっています」(前出の五明教授)

 味噌汁の具材は野菜、根菜、海藻など健康にいいものばかり。サラダと比べて量を摂取できるメリットもひとつ心配なのは味噌汁の塩分だが、味噌の塩分は同量の食塩より血圧上昇が低く、加えて味噌汁の具材の野菜には塩を排除するカリウムが多く含まれるので、“塩害”はさらに低くなる。「塩分を気にして味噌汁を控える必要は、まったくありません。むしろ、味噌汁を飲まないデメリットが大きいぐらいです」(前同)

 現在発売中の『週刊大衆』6月17日号では、このほかにも「実は危険な日常習慣」など、健康情報企画を特集している。