今日はソフトクリームの日 気温と売れ行きの微妙な関係

夏は、アイスクリームの売れ行きがとくに伸びる季節。猛暑だった昨年は、例年以上にコンビニやスーパーでアイスクリームが売れました。ではソフトクリームも、暑ければ暑いほど売れるのでしょうか。

アイスクリームとの違いは製品温度

アイスクリームとソフトクリームは、ともに牛乳を主原料とした冷菓ですが、製品温度に大きな違いがあります。アイスクリームがマイナス18℃以下で販売されているのに対し、ソフトクリームはマイナス5~マイナス7℃。ソフトクリームの食感が、アイスよりやわらかく感じるのは、このせいでもあります。では、こうした製品温度の違いは、なぜうまれるのでしょうか。ソフトクリームの総合メーカー「日世株式会社」に、話をうかがいました。

「工場でつくられたアイスクリームは、溶けない温度で店舗に運ばれ、溶けない温度で販売されます。一方、行楽地で販売されることが多いソフトクリームは、お店自体が『工場』のようなもの。お客様はつくりたてを、その場ですぐ召し上がることができます。ソフトクリームは、いわば『つくりたてのアイスクリーム』なのです」(日世株式会社)

販売の都合上、アイスクリームはクリーム状のまま容器につめ、工場で急速冷凍させたあと、溶けない温度のまま保管されなければなりません。けれどもソフトクリームには、その必要がないんですね。

「暑いから売れる」わけではない

こうした両者の違いは、「気温と売れ行きの関係」にもあらわれています。ソフトクリームは、単純に「猛暑だから売れる」とは言えないようです。

「ソフトクリームの売り上げは、その行楽地の客数に大きく左右されます」(日世株式会社)

もちろん気温が、その行楽地の客数に影響を与えることはあります。しかし、だからといって「気温の高さ」が、アイスのように「売り上げ」に直結するわけではありません。猛暑が続けば、外出をひかえるケースが増え、行楽地から客足が遠のく場合もあるからです。

なお、気温の変化が、味などの消費者のニーズに変化をもたらすことはあるようです。

「最高気温が高まるにつれ、ラムネ味に代表される、さっぱりした味覚が好まれる傾向にあります」(日世株式会社)
 
たしかに炎天下では、濃厚なものより、さっぱりした味を選びがちかもしれませんね。

さて、本日7月3日は「ソフトクリームの日」です。昭和26(1951)年の今日、明治神宮で開かれた進駐軍主催のカーニバルの模擬店で、コーンスタイルのソフトクリームが日本で初めて販売されました。その後もソフトクリームは味や種類などの面で様々な進化をとげ、現在にいたっています。

私たちに、「おいしさ」と「幸せ」を同時に与えてくれるソフトクリーム。行楽地に繰り出した際は、ぜひご堪能ください。

参考資料など

取材協力/日世株式会社