笑って触って稲わらアート 仙台・農業園芸センターで展示 12月7日まで

東日本大震災の津波被害から復旧した田んぼの稲わらを使った巨大オブジェを展示する「2019せんだいわらアート」(実行委員会主催)が、仙台市若林区のせんだい農業園芸センターで始まった。迫力ある作品を楽しもうと、多くの家族連れが訪れている。12月7日まで。

 5回目の今年は、人気の恐竜シリーズ7体に加え、カンガルー(高さ約3メートル、幅約1.8メートル)とイノシシ(全長約2メートル、高さ約1.5メートル)を追加。子どもたちは作品に駆け寄り「大きい」「(わらが)毛並みみたい」と声を上げた。
 制作は、運営に携わる一般社団法人「ReRoots(リルーツ)」の学生ボランティア10人が担当。震災を乗り越えた地域の歴史や農村文化を身近に感じてもらおうと、今年は地元児童が田植えに参加した。収穫後の稲わらは来年の材料として使う。
 初めて訪れた青葉区の東北福祉大1年戸野村唯さん(18)は「想像以上に精巧で驚いた。オブジェの制作や鑑賞を通じ、復興に思いを寄せられるコンセプトもいい」と話した。
 実行委員長の広瀬剛史さん(45)は「徐々に若林区の恒例行事として定着してきた。震災の記憶の風化が進む中、地域内外の人がこれまでの歩みを思い返す契機になればうれしい」と語った。
 午前9時~午後5時。入場無料。月曜休園。連絡先は実行委事務局022(762)8211。