仙台の飲食店で「ホヤ天ぷら&唐揚げ」フェア 「一年中おいしく食べる文化」発信

 宮城を代表する水産物「ホヤ」の天ぷらと唐揚げを提供するフェアが現在、仙台市内の飲食店で開かれている。主催は宮城県水産業振興課。

ワンプレートランチや立ち食いそばも

 全国シェアの約8割を占める宮城県産の養殖ホヤは東日本大震災により甚大な被害を受けたが、現在では生産能力は震災前と同程度までに回復している。しかし、震災前に生産量の約7割を輸入していた韓国が、東京電力福島第1原発事故を理由に2013(平成15)年から宮城など8県の水産物輸入を禁止。今年4月には世界貿易機構(WTO)が禁輸措置を容認する判断を下したことから、さらに長期化が懸念され、国内での販路・消費拡大が急務となっている。 [広告]

 この状況を受け、県ではホヤの消費拡大を図るため、「ホヤを一年中おいしく食べる文化」を主生産地である宮城から創出・発信することを目的に、「宮城県産ホヤ天ぷら&唐揚げ」飲食店フェアを企画した。第1弾と第2弾に分けて、市内飲食店延べ20店以上で各店オリジナルのホヤの天ぷらと唐揚げを提供する。

 第1弾の参加店は以下の通り。「そば うどん 萩(はぎ)」「三陸漁師のオイスターバー Ostra de ole」「ほや&純米酒場 まぼ屋 仙台駅前店」「なごみだいにんぐ 飛梅 クリスロード店」「ほやほや屋 仙台花京院店」「炉地BAR 八兵衛」「富貴寿司(ずし)」「奥州ろばた センダイエキ 天海」「綴(つづり)café」「Star garden」(以上、青葉区)、「和み居酒屋 サルトナリ」「陽(ひ)のあたる処(ところ) 居酒屋SAR”U」(以上、泉区)の12店。

 県水産業振興課担当者は「ホヤは加熱調理することで甘味とうま味が一段と引き立ち、独特の風味は和らぎ、ホヤが苦手な人やホヤ初心者の方でもおいしく食べられるといわれている。今回のフェアでホヤの天ぷらや唐揚げが宮城の新名物として広がり、フェア参加以外の店や家庭における中食・内食にも普及し、消費拡大につながれば」と話す。「ホヤは冷凍しても品質が変わりにくい特性がある。飛躍的に向上した冷凍技術により、生ホヤの旬の時期以外にも冷凍ホヤの利用が促進されることも期待している」とも。

 開催期間は、第1弾=12月1日まで、第2弾=2020年2月1日~3月1日。