橋本環奈に浜辺美波 “美人でも男前な性格の女優”が乱立する理由

橋本環奈(21)と浜辺美波(19)という、今を代表する2大美少女コンビによるドコモのCMが話題だ。高校を卒業する彼女たちが、屋上で「このまま大人になっても友達でいようね」と約束するピュアさに、多くの人が自身の青春時代を思い出しているようだ。ネット上には「#カンナとミナミ」なるハッシュタグも作られ、「この青春、私には刺激的すぎる……」「ドコモさん、天才すぎる!」、果ては「ずっと友達でいてほしい!」といった呟きまで書き込まれている。

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この注目度の高さは、何といってもメインキャラクターの橋本と浜辺の魅力にあるだろう。もし親友コンビが、この2人でなかったらどうだったろうか? 彼女たちはともに絶世の美少女ながら、そのサバサバした性格から女性に嫌われない女優として人気だ。それだけに、画面から伝わってくる2人の友情もどこか本物のように感じられるのだ。

橋本は2013年に、SNSに挙げられた写真が「奇跡の一枚」と話題になりブレイクしたという逸話の持ち主。外見とはギャップのある男勝りな性格でも知られており、女子高時代のあだ名は「みんなの彼氏」。先日アップされた女性誌『ar』のInstagramでも、今年の抱負を「バンジージャンプとスカイダイビングをすること」と語り、「男前すぎる!」と盛り上がっている。こういった言動が女性の支持を得ているようで、山﨑賢人やKing&Princeの平野紫耀など、ドラマや映画で女性人気が絶大な“イケメン俳優相手のご用達”女優となっている。

対して浜辺美波は10歳で東宝「シンデレラ」オーディションのニュージェネレーション賞を獲得し、女優に。そして2017年に公開された映画『君の膵臓をたべたい』で見せた、あまりに美しく澄んだ演技で一躍、若手実力派女優の仲間入りをした。が、その後は『センセイ君主』(2018年)で変顔を連発したり、『賭ケグルイ』(2019年)でギャンブル依存症の高校生を演じたりと、あえて美少女イメージを壊す役にばかり挑戦している。この戦略に加え、「学校の友達は2人ほど」「ぼっち好き」といったやや陰な性格も好評で、今のところ彼女を嫌う女性の声はほとんど聞かれない。

この2人のCM人気を見ていて感じたのは、今や若手女優界は「ものすごくかわいくて女性にも好かれる」存在が乱立する戦国時代に突入しつつある、ということだ。たとえば『ゴチになります』(日本テレビ『ぐるぐるナインティナイン』内のコーナー番組)の新レギュラーとなり話題の本田翼(27)。モデル出身ゆえ、かわいいだけでなく抜群のスタイルの持ち主でもあるが、ヲタク女子であることを隠さない飾らない性格から、男女両方からの好感度が高い。先日発表された『好きなYouTuber』ランキングでは、彼女のゲーム実況動画が1位に輝いているほどだ。

また、昨今連ドラの主役の常連となっている女優も、綾瀬はるか(34)や新垣結衣(31)、北川景子(33)など、「女性が好きな女性」ランキングで上位に名前が挙がっている人たちばかりだ。

対して……かわいいけれど女性ウケが悪い女優といえば、記憶に新しいのが唐田えりか(22)。東出昌大との不倫騒動で女性たちから壮絶なまでのバッシングを浴び、Instagramは閉鎖。芸能界引退の危機にまで追い込まれている。もともと男性ウケの高い清楚イメージが強かったこと、前年にドラマ『凪のお暇』(2019年/TBS系)で演じた八方美人女子があまりにもハマリ役だったことなどもあって、日頃から彼女のことを快く思っていなかった女性たちがここぞとばかりに叩いた印象だ。

また本田翼と入れ違いに『ゴチになります』を降板した土屋太鳳(25)。かねてより女性ウケがあまり良くなく、2019年に週刊女性PRIMEが実施した「女性が嫌いな女性芸能人」ランキングで、女優ではワースト7位にランクしている。その影響もあってか、2017年は4本、2018年は3本もあった主演映画が昨年はゼロ。わき役で1本の映画に出演したのみとなっているうえ、連ドラにも2018年夏の『チア☆ダン』(TBS系)を最後に登場していないのだ。女性ウケの悪さが影響しているのかもしれない

さらには、2018年に『中学聖日記』(TBS系)で15歳の男子中学生と恋に落ちる女教師を演じた有村架純(27)。怒り狂った男子生徒の母親に罵られ、涙に濡れながら彼のもとを去ろうとするも、その弱い者感が逆に男子生徒の思いに火をつけてしまう……。そんな役柄に、有村の持つどこかはかなげな魅力はピッタリだったが、皮肉にも好演しすぎたせいで「いかにもうちの息子をたぶらかしそう!」と母親世代の猛反発を買ってしまった。それまでNHK朝ドラ『ひよっこ』(2017年)のヒロインや、多数の映画で主演を務めるなど絶好調だったのが、その後目立った作品への出演はなし。失速した感は否めない。

女優というのは当たり前だが演技を売る仕事。作品の中で役柄を演じ切っていればイメージを保つこともできたが、昨今はSNSの普及で、その素顔もどこの誰からともなくあっという間に拡散する。それをバッシングするツールも豊富なうえ、その声は簡単に製作サイドや広告メーカーの人間に届く。そして彼らは、そういった声をスルーしない。そんな時代だけに、「かわいくて性格も良さそう」という二物を持つ女優は、これからますます増えてくることだろう。

取材・文:奈々子
’72年生まれ。愛媛県出身。放送局勤務を経てフリーライターに。タレントのインタビュー、流行事象の分析記事を専門としており、連ドラ、話題の邦画のチェックは欠かさない。雑誌業界では有名な美人ライター