新型コロナ 鳥取の農機具会社がマスク製造へ

新型コロナウイルスの感染拡大でマスクの品不足が続く中、中古農機具整備販売を手掛ける「大志」(鳥取市)は、抗ウイルスマスクを製造すると発表した。かつてマスクを製造していた業者から取得した工場を活用。今月中旬に製造を始め、当面は鳥取市とその周辺に優先的に販売するという。

 製造するマスクは、鳥取大とマスク製造業者が共同で開発し、4層構造でウイルスの働きを不活性化させるとされる天然鉱物「ドロマイト」の粉末が入っている。製造業者が事業を休止したが、同社が平成29年に工場を取得していた。

 谷口健二社長は「工場を購入する際に感染症の流行は周期的に来ると聞いていたので、原料を保管するなど備えはしていた」と説明する。

 旧工場の関係者らの協力を得て約1カ月かけて準備。原材料は500万~600万枚分を保管しており、当初は1日あたり2万~2万5千枚を製造。その後、7万5千~10万枚に増やす計画で、価格は1枚300円(税別)を想定。需要がある限り製造を続けるという。

 市は同社への財政支援を検討している。深沢義彦市長は「店頭でマスクを購入できない状況が続いており朗報だ。多くの人に活用されると期待している」と話した。