個人的に気になること

色々なものが雑多にファイリングされています。

「優柔不断な人」と「即断即決の人」で決定的に違う能力

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■優柔不断な人は「メタ認知」ができていない

ショッピングに行ってもなかなか買うものを決められない、レストランに入ってもなかなか注文を決められない―。こんな人はよく「優柔不断な人」と言われます。

優柔不断な人は、往々にしてメタ認知が苦手な人です。

自分を客観視できていないため、いま自分に何が必要で、何にお金や時間を使うべきなのか、判断が難しいのです。

そういう人は、ようやく何かを決断したとしても、その後もあれこれと考えを巡らせ、モヤモヤしてネガティブな循環が生まれやすくなります。

〝優柔不断〟の反対は、〝即断即決〟です。

即断即決できる人は、メタ認知が得意な人です。

自分がどういう人間で、いま自分には何が必要なのかを理解しているので、次にやるべきことがほぼ決まっているのです。

そういう人は、たとえ失敗してしたとしても、スパッと切り替えて、悩むことなく次の行動に移ることができ、ポジティブな循環が生まれやすいのです。

優柔不断な人は、なかなか自分で決断できず、他者の意見に同調してしまうことも多いと思います。選択することを自ら放棄してしまうのです。

なぜそうなってしまうのでしょうか。

それは「リスクや失敗を恐れすぎる」からではないでしょうか。

どんな人も未来を知ることはできませんが、未来への恐怖感は人によって異なります。

自分の未来に希望が持て、リスクや失敗を恐れず突き進める人は「メタ認知」に長けています。

前述した「メタ認知的知識」や「メタ認知的行動」によって、起こり得るリスクを把握し、失敗やミスを減らしながら、自らの長所を信じて進むことができるのです。

自分を客観視できる能力は、前に進むための勇気を与えてくれます。

世界最高峰のエベレストに人類で初めて登頂成功した、エドモンド・ヒラリー氏は「人生は登山」と語ったといいます。

登山では、地図やコンパスなどをうまく利用することで、自分の位置や進行方向を把握することが重要です。これらの道具がないと、ときには命を落とす危険さえあります。

高い木々に囲まれ目印のない山の中では、人間が得られる情報は限られていますから、頂上まであと何キロぐらいで何時間かかるのか、水飲み場や救護地はどこにあるのか、そういった情報の有無によって、安全に登山できるかどうかが決まってくるのです。

人は、自分の位置や目標がわからなくなると、先の見えない恐怖から疲弊し、強いストレスを感じます。

しかし、そんな状況にあっても、自分がどこにいて、どこに向かって進んでいるのかという情報を得るだけで、大きな安心を得ることができます。

そう考えるならば、メタ認知とはいわば〝人生のコンパス〟のようなものです。自分の位置情報を正確に把握するための〝GPS〟と言ってもいいでしょう。

自分の人生を安全に、そして円滑に前に進めるためには、自分について正しい情報を教えてくれる道具が必要不可欠なのです。

では、この〝人生のコンパス〟であるメタ認知が、誤った方角を指し示すようになったとしたら、どうなるでしょうか?

コンパスの動きが怪しくなってくると、当然正確な情報を得ることができません。

同様に、メタ認知がうまく働かなくなってくると、自分自身について誤った認識をするようになります。

政治や宗教、怪しい民間療法など、ときに人は極端な思想に染まってしまうことがあります。そして、そんな人ほど、妄信的に自分の考えに固執し、軌道修正しにくいということも、先にお伝えしたとおりです。

こうなってしまうと、コンパスも役に立ちません。

人間はもともと、偏見に陥りやすい生き物です。

偏見には多種多様なバリエーションがあり、自分に同意してくれる人の意見を受け入れたがる「認知バイアス」や、自分が興味のあることが周囲の大勢であると考える「観測選択バイアス」、変化を恐れる「現状維持バイアス」、悪いニュースにばかり目がいく「ネガティブバイアス」など、放っておくとどんどん思考は偏り、道に迷ってしまいます。

誰しも自分の間違いを認めるのは怖いものですから、自分の意見に反する情報は無視したくなりますし、自ら積極的に集めようとはしません。そうなると、ますます思考は偏っていき、負のスパイラルに巻き込まれてしまいます。

そんな迷いやすい、偏見の塊であるわたしたちだからこそ「自分が本当に正しい道を進んでいるのか」を正確に把握するための道具が必要なのです。

わたしたちの人生は、選択の連続です。

進学や就職など、人生を決める大きな選択の瞬間は、生きていれば必ず訪れます。

そんな選択のとき、自分はこれからどの道を進んでいくべきなのか、きっと迷うこともあるでしょう。

両親や友人、学校の先生や恋人など、あなたのことを案じてさまざまな人がアドバイスをしてくれることと思いますが、メタ認知を働かせて自分を客観視できれば、他人の意見に左右されたり、一時的な感情や気分にまどわされたりせずに、進むべき道を選択することができます。

メタ認知を身につけたあなたは、もう優柔不断とは言われないでしょう。

メタ認知を〝人生のコンパス〟としてつねに持ち歩き、自分についての正しい情報を確認しながら、自信を持って人生を歩んでいけるはずです。

●この節のまとめ

  • メタ認知能力が低い人は、リスクを恐れて優柔不断になりやすい
  • メタ認知能力が高い人は、次に取るべき行動がわかるから即断即決ができる
  • メタ認知がうまくできると、自分の考えや行動に自信が持てる
  • メタ認知は人生のコンパス。つねに持ち歩こう

いっちー

(一林 大基)1987年生まれ。学生時代はいじめに遭い不登校を経験しながらも「メタ認知」と出会い克服。昭和大学にて重症例を含む様々な分野の診療を学びながら、うつ病に対する薬物治療、アルコール依存症への依存症プログラムや認知症サポート医として地域活動に貢献するなど幅広い疾患、ジャンルに対応する。現在は、とある都市で、精神保健指定医、日本精神神経学会専門医として働きつつ、世界初のバーチャル精神科医として正しい精神疾患の知識を普及させることをライフワークとしている。一方で、全国各地からSNS上に寄せられる様々な相談に答え、不登校や心の病、自殺などの問題に関わっている。2018年よりツイッターを開始。1年でフォロワーが2万人を突破(2019年12月現在)。