東北51人 感染者数増加続く 最多は宮城18人、岩手ゼロ

新型コロナウイルス感染拡大を受け、東北の自治体が危機感を強めている。東北6県で確認された感染者数は3日現在で計51人となった。増加のペースは速まっており、各自治体は感染者の急増に備えるため検査や医療の態勢を強化している。
 各県の感染状況は表の通り。仙台市青葉区の英国風パブでクラスター(感染者の集団)が確認された宮城が最も多く、青森、秋田、山形、福島の各県でも感染者が目立つ。岩手は感染者が確認されない状態が続く。
 感染者の濃厚接触者も増加の一途をたどっており、各自治体は新型コロナの感染の有無を調べる検査の拡充を急ぐ。
 宮城県内では県保健環境センター(宮城野区)と県医師会健康センター(同)、仙台市衛生研究所(若林区)が検査を実施。1日当たり計60件の検査が可能で、2日現在の実績は計339件となった。
 市衛生研究所では、1日約20件の検査を実施している。検査を必要とする市民は増えており、市健康安全課の担当者は「研究所の(検査担当と)別部門の職員も訓練するなど工夫し、処理能力を高めたい」と説明する。
 秋田県は3月31日、県環境健康センター(秋田市)に新たな装置を増強し、検査可能な件数を1日30件から60件に倍増させた。秋田市保健所と合わせて最大約80件に対応する方針。福島県は県衛生研究所(福島市)に加え、いわき市にある民間の検査機関に一部の検査を委託するなどして1日最大62件の検査を進める。
 新型コロナ感染者の受け入れ態勢が整った「感染症指定医療機関」は、仙台市立病院(太白区)など東北6県で計43あるが、感染症病床は計178に限られる。各県は指定機関以外の一般病院での受け入れなどの対策を講じる方針。