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仙台市の巨大事業、新型コロナで凍結? 財政悪化、政変で過去に頓挫

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新型コロナウイルスの感染拡大で、仙台市がビッグプロジェクトの行方に気をもんでいる。仙台空港とタイ・バンコクを結ぶ国際定期路線の誘致、ガス事業の民営化、音楽ホール整備、市役所本庁舎の建て替えは、いずれも過去に世界経済や市財政の悪化、政変により、頓挫や凍結を余儀なくされた経緯がある。担当者は忌まわしい過去が再来しないか戦々恐々とする。
(報道部・小木曽崇)
 タイ国際航空は3月25日、「新型コロナウイルスの感染拡大とタイと各国政府の入国規制」を理由に、週3往復していた仙台-バンコク線を10月24日まで運休すると発表した。
 バンコク線は2013年に初就航したが、4カ月で休止に追い込まれた。この時はタイ国内で反政府デモが発生し、搭乗率が下がったことが原因だった。
 昨年10月、5年ぶりに路線が復活した背景には、東北の食やおもてなし精神に感動したスメート・ダムロンチャイタム社長の強い意向があったとされる。そのスメート社長は業績不振の引責で、今回の運休中の4月11日付で辞任する。
 長年、路線誘致に取り組んできた市の落胆は大きい。担当者は「路線休止が決まる中でスメート氏の辞任は残念。新体制発足後も、仙台や東北の魅力を説明していきたい」と強調する。渡航規制が改善された場合はタイに出向き、再復活を要望する方針という。
 市ガス事業は22年度に事業譲渡方式で民営化する。市は本年度に売却先を公募し、優先交渉権者を決めるスケジュールを描く。氏家道也ガス事業管理者は「今は大きな影響はない。優先交渉権者の決定を先送りする予定もない」と話す。
 08年の前回公募時はリーマンショックに端を発した世界的な景気悪化で、唯一応募した東北電力、東京ガス、石油資源開発の3社グループが辞退した。氏家管理者は「事態がさらに深刻化すれば、企業の投資意欲に影響を与えるかもしれない」と懸念を示す。
 音楽ホールは郡和子市長が立地場所を決断し、本年度の早い時期に基本構想の策定を始める予定だった。
 県が昨年末、青葉区の東京エレクトロンホール宮城(県民会館)や県美術館などの移転方針を表明。その影響を見極める作業が長引いていたところに「コロナ騒動」が直撃した。当初目指した19年度内の立地場所の決定は果たせなかった。
 音楽ホール整備は約30年前からの検討課題。いったん基本計画を策定しながら、1998年度に財政難のため凍結した過去がある。
 市幹部は「(新型コロナで)地元企業の経営が悪化する中、何百億円という事業費を公表するのははばかられる。凍結の歴史が脳裏をよぎる」と頭を抱える。
 市役所本庁舎の建て替えも05年に財政難のため、いったん凍結された経緯がある。築55年の建物は耐震補強工事で「延命」を図っており、東日本大震災を経た17年に検討が再開された。
 現在は有識者の検討委員会で、新本庁舎の配置や機能、整備費などを盛り込んだ基本計画の策定に取り組む。本庁舎建替準備室の担当者は「今のところ新型コロナの影響はない。7月の計画策定に向け、検討委で議論を深める」と準備を粛々と進める考えを示す。