J.D.パワーのルーター満足度調査、テレワーク増加で「通信速度」が低評価に

J.D.パワーは、5月20日に「2020年モバイルルーターサービス顧客満足度調査」「2020年ワイヤレスホームルーターサービス顧客満足度調査」の結果を発表した。

 本調査は、インターネット接続にモバイル回線を使用する「Wi-Fiルーター」のデータ通信サービスが対象。バッテリー駆動の持ち運び型「モバイルルーター」と、自宅での据え置き利用を前提とした「ワイヤレスホームルーター」の利用者に向けて行った。回答者数はモバイルルーターサービスが1895人、ワイヤレスホームルーターサービスが1100人となる。

 調査では、総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターとして「通信品質・エリア」「各種費用」「端末・オプションサービス」「手続き・サポート対応」を設定。各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価をもとにして1000ポイント満点で総合満足度スコアを算出している。

 モバイルルーターサービスの顧客満足度ランキング1位はNTTドコモ(591ポイント)で、2年連続の総合満足度1位となった。特に「通信品質・エリア」「端末・オプションサービス」の2ファクターで最高評価となっている。2位はソフトバンク(580ポイント)、3位はau(559ポイント)となった。

 ワイヤレスホームルーターサービスの顧客満足度ランキング1位はUQ WiMAX(559ポイント)で、2年連続の総合満足度1位となる。「各種費用」のファクターで最高評価を得ており、2位はau(554ポイント)、3位はソフトバンク(521ポイント)となった。

 調査時期は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い自粛要請が出され、テレワークが増加し始めた3月下旬~4月上旬。モバイルルーター・ワイヤレスホームルーターともに「通信品質・エリア」の満足度が昨年調査と比較して低下傾向にあり、特に「通信速度」に対する評価低下が顕著となった。

 また、モバイルルーター・ホームルーターともに9割超が「動画や映像サービスの視聴」、8割が「オンラインストレージの利用」といったデータ通信量の大きいサービスでルーターを利用。速度制限を経験した利用者が昨年より増加している傾向が見られた。この他、動画視聴時における速度低下や、つながりにくさへの指摘も昨年調査と比較して増加していた。