ヨーグルトを食べるなら朝か夜か…免疫力を高める習慣はどっち?

いまだ世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。自分の身を守るには、免疫力を上げて発症を避けるしかない。食事、入浴、運動……あらゆる角度から見た、免疫力を上げるための新習慣とは?

◆免疫機能増強のカギは「腸内環境」と「体温」

 そもそも免疫力とは何か。医学博士の飯沼一茂氏によると、免疫とは「細胞の“破壊と再生”」だという。

「ウイルスの侵入を免疫システムが探知すると、炎症性の物質を放出してウイルスに侵された細胞ごと破壊します。その後に抗炎症性の物質できれいに掃除をして元の細胞に戻す。ここまでが免疫のシステムなのです」

 そのシステムを正常に保つためのポイントが「腸内環境の改善」と「体温を上げる」ことだという。

「体は毎日、約5000個ものがん細胞をつくり出しているといわれています。これらのがん細胞は体温35℃付近で最も増殖し、体温が高いほど免疫ががん細胞の破壊を促します。一方、破壊された細胞を修復する免疫細胞が多く存在しているのが腸内。腸内環境の改善は免疫力向上に繋がります」

 以下では、免疫力を高める生活習慣についてQ&A形式で紹介。

◆Q&A 免疫力を高める習慣はどっちだ!

Q1 入浴剤は「重炭酸風呂」or「アロマバス」?

A 「重炭酸風呂」

 免疫機能を高めるためには、体温を少し高めに保つことが重要です。一番手っ取り早いのが入浴。それも、しっかり湯船につかるのがベストです。さらに炭酸ガスが発生する入浴剤などを入れた「重炭酸風呂」には血液の流れを良くする効果があります。血流が良くなると、免疫細胞や、免疫細胞から放出される物質が体中をスムーズに動くことができ、結果的に免疫力を高めてくれます。

Q2 歯磨きは「朝食前」or「朝食後」?

A 「朝食前」

 感染症を防ぐには、口腔ケアが非常に重要。歯周病菌などが大量に口腔内に存在すると、免疫システムがそれを攻撃するため炎症を起こし、防衛力が弱くなって細菌やウイルスの侵入を許してしまいます。朝起きた時の口腔内には細菌が約1兆個も存在するといわれ、そのまま朝食を取ると、これを飲み込んでしまうことになるんです。

Q3 ヨーグルトを食べるなら「朝」or「夜」?

A 「夜」

 ヨーグルトは腸内環境を整えてくれる頼れる味方。もちろん、どんなときに食べてもその効果は得られますが、免疫力向上には体内リズムに合わせて「夜」に食べるのがおすすめ。人間の腸の働きが最も活発になるのは22時~翌2時くらいといわれており、この「腸のゴールデンタイム」にヨーグルトを体内に届けるには夕食後あたりがベストタイミングです。

Q4 お酒は「適量ならOK」or「極力飲まないほうがいい」?

A 「適量ならOK」

 体質的にお酒が飲める人に限りますが、適量のお酒は薬と心得ましょう。お酒は胃液の分泌や消化吸収を助けてくれ、心身のリラックス効果も得られます。特に食欲のないときなどは、適量のアルコールを摂取することで胃が活発化されて、代謝も良くなります。ただし、成人男性のアルコール摂取の適量は一日20gといわれているので、飲みすぎは厳禁です。

Q5 運動するなら「ガッツり筋トレ」or「のんびりウォーキング」?

A 「のんびりウォーキング」

 運動も体温や血流量を上げるのに効果的です。しかし、過度な運動をすると、かえって筋肉などに炎症が起きてしまい免疫力が下がってしまいます。ゆっくり歩き、たまに3分ほど早歩きをする「のんびりウオーキング」が効果的。日中に行えば、適度に日光を浴びることで体内にビタミンDが増え、さらに免疫力を高めてくれます。