気仙沼ちゃん「全国に発信を」 朝ドラ舞台の大島 観光客誘致に期待

2021年春放送のNHK連続テレビ小説が宮城県気仙沼市を舞台とした「おかえりモネ」に決まった。主人公の出身地の設定でロケが確実視される同市大島の関係者は、「映像を通じ、東日本大震災から復興した大島の姿を全国に発信してほしい」と期待している。
 NHKによると、俳優の清原果耶さん(18)が演じるヒロインは「気仙沼の自然豊かな島で育った」とあり、大島がゆかりの地となるのは確実とみられる。
 1970年代にタレント萩本欽一さんの名を冠したテレビ番組「欽ちゃんのドンとやってみよう!」に出演し、「気仙沼ちゃん」として人気を博した白幡美千子さん(65)は「震災から10年。復興した大島を伝えてほしい」と語った。
 おかみを務める島の旅館は、新型コロナウイルスの影響で営業を自粛している。「震災やコロナに負けない、前向きな気持ちになれる物語がいい」と願う。
 ヒロインは気象予報士を目指す。管理栄養士が目標という大島中3年の高須舞優さん(14)は「夢に向かって歩むヒロインを応援したい」。清原さんについては「爽やかなイメージ。明るく演じて」と話した。
 大島は震災の津波で33人が犠牲になり、一時孤立した。昨年は気仙沼大島大橋の開通もあって島への観光客は前年より58万1900人も増えたが、今年は新型コロナの影響で激減。気仙沼大島観光協会は27日、小田の浜海水浴場の海開きを行わないことを決めた。
 協会の白幡昇一会長(68)は「コロナ収束後は全国で観光客の奪い合いになる。朝ドラで大島を発信できれば、気仙沼全体の観光にとって大きなメリットがある」と話す。大島大橋、亀山、小田の浜など景勝地でのロケを望み、「全面的に協力したい」と語った。