盛岡市のわんこそば支援にじゃじゃ麺提供店が「不公平」の声

全国で唯一、“コロナゼロ県”のまま緊急事態宣言解除を迎えた岩手県。盛岡市が実施する事業者向けの「支援金」を巡り騒動が勃発した。

 盛岡市の経済対策は、コロナで打撃を受けた観光関連事業者に5万~100万円の支援金を出すというもの。名物の「わんこそば」提供事業者3社には最高額の100万円が支給されることになった。

 釈然としないのは、わんこそばとともに「盛岡三大麺」に数えられる冷麺、じゃじゃ麺を提供する飲食店。「同じ麺なのに、わんこそばだけ支援するのは不公平」などの声が上がった。

 わんこそばは、ひと口量のそばを給仕係が付きっきりで「どんどん」「じゃんじゃん」など声をかけながら、次々と客のお椀によそう。コロナ対策が難しいのも、わんこそばならではの“密”が理由?

 盛岡市に訊ねると「そうではありません」(同市観光課)という。

「今回の支援金は観光事業者が対象。わんこそばは三大麺の中でとりわけ県外からの観光客受け入れ割合が多いことが理由です」(同前)

 冷麺やじゃじゃ麺の提供店は盛岡市民が日常的に利用する機会が多いということらしい。

 一方、提供事業者でつくる「盛岡三大麺普及協議会」は戸惑いを隠せない。

「わんこそばは県外からの移動がなくなるとすぐに状況が悪化しました。お給仕さんが大勢いるので、雇用に関わる部分を配慮いただいたようです。この先の対策では冷麺やじゃじゃ麺の事業者にもより公平感のあるものを期待します」(同協議会事務局)

 盛岡名物の麺のように弾力的な対応が望まれる。

※週刊ポスト2020年6月12・19日号