スーパー「ウィンマート」夜間無人化 顔認証システム導入、人件費削減効果も

食品スーパーを運営する「ウィンマート」(宮城県富谷市)は、仙台市青葉区小松島3丁目のウィンマート小松島店で、夜間に従業員を置かずに営業する珍しい取り組みを始めた。登録者のみが入店できる顔認証システムを導入し、無人スーパーを実現させた。

 1日から、通常営業終了後の午後7時~翌朝午前8時の時間帯を無人化している。入り口の端末画面に顔を映すと、ゲートが開き、入店できる。登録は従業員立ち会いの下、顔を端末に読み込ませるだけ。名前や住所、電話番号は不要だ。顔の登録だけでも万引やトラブルを防ぐ効果が期待できるという。
 会計は客がセルフレジで商品のバーコードを読み込ませ、クレジットカードや電子マネーで決済。約100平方メートルの店舗にカメラ7台を置き、録画している。
 周辺は高齢者や学生が多い住宅街。大型スーパーはなく、同社は昨年6月、青果店跡地に小松島店を開店させた。コンビニエンスストアに対抗するため、生鮮食品を多く取りそろえる。
 無人化に伴う初期費用は約1000万円だが、高騰する人件費の削減効果を期待する。新型コロナウイルスが社会問題となる中、客と店員との接触を減らすことにもつながる。
 2号店となる小松島店の開店当初から無人化を検討していた佐々木幸広社長(63)は「小型店でも簡単なシステムを導入すれば、無人店舗は実現できる。通常営業の生産性向上にもつなげ、価格に還元させたい」と話す。登録者は500人を目指す。