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コロナ不況で赤字必至!? 転売族は大慌てで「新築未入居」大量売り出し

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首都圏において新築マンションの価格は、2013年より継続的に上昇を続けてきた。特に都心や湾岸エリアのタワーマンション(タワマン)にこの傾向が顕著であった。

 新築のタワマンは建物が完成する2年ほど前から売り出される。最初の売り出しでは、ちょっとお安めの「パンダ住戸」などを作って「最高倍率〇〇倍」という報道が世間に流れるように仕組む。パンダ住戸のパンダは「客寄せパンダ」の意味だ。

 そういう住戸を首尾よく買えたとする。建物が竣工する頃にはマンション市場が値上がりしている。買った住戸を「新築未入居」で売り出せば、購入価格よりも15%から20%程度高く売れたりする。もうけは数千万円になる場合さえあった。

 それで味をしめると、2回目、3回目に挑戦する。そういう転売族が新築マンションを購入、売却するごとに数千万円ずつの利益を手にしていたのが13年から20年の初頭までの約7年間。

 ところが、誰もが予想しない新型コロナウイルスがやってきた。そもそも転売族が利益を得ていたのは、異次元金融緩和という日本の金融史上でも異質な政策が続けられていたから。日本銀行が市場にジャブジャブお金を流すので、不動産価格が実力以上の高価格で取引される局地バブルがはびこったせいである。

 決してオフィスや住宅に対する需要が沸騰したからではない。いつもながら、バブルというものはかなり不健全な形成のされ方をする。

 ところが、これからはコロナ不況がやってくる。不動産に対する世間の見方も急激に冷ややかになった。2年前に1億円で販売されていた新築のタワマンを、建物が完成したからといってこれまでのように1億2000万円で売り出しても、容易に買い手はつかないだろう。

 転売族たちは、今頃さぞ慌てているかもしれない。こういった転売では、新築購入価格の1割以上高い価格で売却できないと、ほぼほぼ赤字になる。利益を上げられるハードルは割合高いのだ。いってみれば、一種のギャンブルと言っていい。

 1億円で買ったマンションが8000万円でしか売れなければ、諸経費などを含めて実質的な損失は約3000万円になる。これまでのもうけを吹っ飛ばす転売族もいるだろう。

 不動産のポータルサイトを見ると、こういった「新築未入居」の物件が大量に売り出されているのが確認できる。彼らはうまく売り抜けることができるだろうか。

 私は過去2回のバブルの崩壊を経験してきたが、転売目的で不動産を抱いた(ホールド=購入)業者が、売れずに飛ぶ(消える=破産や夜逃げ)のも見てきた。

 今回の局地バブルではエンド(一般人=素人)が転売族になって湾岸のタワマンなどを購入していた。彼らのうちの少なからぬ人々が飛ぶのであろうか。

 バブルは眺めているのが一番いい。踊りの輪の中に入ってもロクなことにはならない。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。