『上半期ブレイク芸人』1位はぺこぱ M-1結果&コロナ禍がTOP10に大きく影響

新型コロナウイルスの影響で、バラエティ番組の収録もままならず、ひな壇芸人が縮小傾向に。そんな中でも、お笑い芸人はリモートやソーシャルディスタンスをとった出演で、私たちに笑いを届けてコロナ疲れを癒してくれる。ORICON NEWSでは恒例の『2020年上半期ブレイク芸人ランキング』を発表。“お笑い第7世代”が注目される中で、1位は昨年末の『M-1グランプリ』決勝戦で3位となり、一躍注目を集めた【ぺこぱ】となった。 【ランキング表】アクリル板漫才にリモート出演、YouTube…withコロナでも笑いを届ける10組 ■M-1決勝後メディア露出が急増、20代~50代の幅広い世代が支持  年末の『2019年ブレイク芸人ランキング』には惜しくもランクインしなかった【ぺこぱ】が、堂々の1位に。2019年1月1日放送の『ぐるナイ・おもしろ荘』(日本テレビ系)で優勝して頭角をあらわし、歴代優勝者同様にブレイクを成し遂げた。『M-1』では優勝は逃したものの、“ノリツッコまないボケ”“傷つけない笑い”と新たな方法論を確立させて高い評価を得た。  2人とも30代で“お笑い第7世代”としてはベテランだが、オスカープロモーションを経てサンミュージックに移籍しブレイク。ボケのシュウペイが行なう“シュウペイポーズ”は、五木ひろし南原清隆中村倫也、Snow Manなど多くの芸能人が披露しており、ブームの兆しを見せている。ビジュアル系メイクの松陰寺太勇の恐妻家キャラでも注目されてつつある。  バラエティ番組だけではなくCM出演も増加しており、世代別で見ても、20~50代と幅広く支持されているのが伺える。「M-1以降いろいろなメディアで見かけ、最近はCMにも起用されているから」(東京都/10代・女性)、「M-1で初めて知ってよくテレビで見るようになったから」(千葉県/30代・女性)と『M-1』きっかけで認知度がアップ  また「否定しない突っ込みが素敵」(東京都/20代・男性)と芸風を称える声や「普通に喋っても面白いし、優しい感じが好き」(愛知県/40代・女性)と芸歴があるだけに“平場に強い”トークセンスも絶賛されている。

■第7世代の代表的存在 若年層にウケたチャラいけど硬派なキャラ

若年層メインの人気からメディア露出の増加で全世代が支持したEXIT (C)ORICON NewS inc.

 10代からの支持は1位と圧倒的に支持されている【EXIT】が総合2位にランクイン。ランキングに登場している【ぺこぱ】や【ミルクボーイ】、【霜降り明星】、【3時のヒロイン】のように、お笑い賞レースでの首位獲得はないものの、ファッションや音楽の部門にも進出して一大ムーブメントを巻き起こし、お笑い芸人の枠に収まらない絶大なインパクトは確実に抜きんでている。  彼らならではの“チャラ漫才”と「バイブスいと上がりけり」などキャッチーなフレーズでテレビから引っ張りだこ。それに加え、YouTubeやリモートなどどの状況でも対応できる、“お笑いの汎用性”が高く重宝されている。昨年からブレイク感は十分あったものの、コロナ禍でより存在感を放ったと言える。  “かねちー”こと兼近大樹は「よしもと男前ブサイクランキング2019」で男前1位に輝き、りんたろー。はブサイク2位・男前5位とキャラ立ちも十分な2人。兼近は『ワイドナショー』(フジテレビ系)のコメンテーターとして若者世代の率直な意見をアピール。りんたろー。は美意識が高く、コロナ禍で自作ダイエット飯で1ヵ月半で12キロ減とエピソードにも事欠かない。  アンケートでは全世代でTOP3入り。「キャラクター性が評価されてよくテレビで拝見するから」(熊本県/10代・男性)、「芸人としてだけでなく、存在が抜きんでてる」(沖縄県/40代・女性)と2人のビジュアルも含めて認知度を上げた。2人の言動も注目され「軽そうに見えてそうじゃない、若者に刺さる表現力ととっさの対応力に目を見張るものがあると思います」(神奈川県/10代・女性)、「ネタではないごく普通の会話でもすごく面白い方だちだと思ったから」(奈良県/10代・女性)との声もあった。  霜降り明星、ミキとともに冠番組『霜降りミキXIT』(TBS系)のスタートや、『ABEMA Prime』(AbemaTV)での木曜MCなど、若い世代のファンに現代の社会問題を伝える役割も担っている。ファッションブランド『イグジー(EXIEEE)』のプロデュース、SNSを駆使した活動と、“お笑い”の軸は残しつつ現代のオピニオンリーダー的存在となっていきそうだ。 ■M-1優勝者がTOP3入り 汎用性が高い“コーンフレーク漫才”が浸透  苦節12年、『M-1グランプリ』優勝の【ミルクボーイ】が3位に。決勝で披露した「コーンフレークネタ」がウケ、「ケロッグ」公式応援サポーターに就任するなど、同ネタはさまざまなワードに変えて各番組などで披露。そのネタをアンタッチャブル、ナイツ、かまいたちなど模倣する芸人も多く現れた。  ボディビル選手権で優勝経験のある駒場孝と妻の仲よしぶりや、角刈り頭の内海崇が4月末に結婚を発表するなど私生活もトークのネタとして珍重されている。7月7日スタートの『これって私だけ?』(テレビ朝日系)、『ミルクボーイの煩悩の塊』(ABCラジオ)などレギュラーも徐々に増えており、さらなる活躍に期待が高まる。  「ネタがおもしろい」(大阪府/30代・女性)、「漫才が面白く、本格派が出てきた」(埼玉県/40代・男性)と、ネタを称える“芸人冥利”に尽きる声が多数。「面白いだけでなく人柄も好き」(大阪府/20代・男性)という意見も見られ、2人の素朴さも人気。【ぺこぱ】同様、「傷つけない笑い」で愛されキャラとして今後さらに浸透していくか注目だ。

■コロナ禍で存在感を示した第7世代&次代の若手がランクイン

コロナ禍でも変わらなぬスタンスで人気上昇のフワちゃん

 テレビで見ない日はないと4位にランクインしたのは【フワちゃん】。YouTuber芸人のため、テレビ収録が減っても存在感薄れることなく、リモート出演でも自身の持ち味を遺憾なく発揮。5月29日に放送された『あたらしいテレビ 徹底トーク 2020』(NHK総合)では、コロナ禍で変わりつつあるテレビの現状を本音を交えてトークし、共感を得た。「英語や中国語に感動した」(静岡県/50代・男性)、「言動が自由すぎるけど、何かにくめない」(福岡県/50代・女性)と見た目のとギャップにベテラン世代からも評価されている。  TOP3以外にも、ニホンモニターが発表した『2020上半期テレビ番組出演本数ランキング「ブレイクタレント」』TOP10に登場した面々が続々ランクイン。第7世代としては【霜降り明星】や【EXIT】らが圧倒的認知度を高めていたが、5位の【3時のヒロイン】は、TV出演ブレイク本数で昨年11本から146本の135本増となり、女芸人では1番ブレイクしたとも言える結果に。「ゆめっちはオリエンタル感があり不思議な雰囲気のキャラだし、かなでさんはいつ見ても幸せそうな笑顔で好感が持てる。これをまとめているリーダーは見事」(東京都/40代・男性)と、誰かひとりではなく3人の個性が支持されている。  結成5年の【ティモンディ】は10位にランクイン。高校野球の名門、済美高校(愛媛県)出身の同級生コンビであり、サンドウィッチマンと同じ事務所に所属。スローテンポの独特な言葉の間合いで話す高岸宏行がフックとなり、『有吉の壁』(日本テレビ系)、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)に度々出演し、爪痕を残している。高岸は、プロ野球からのスカウトも受けた野球の名手で“第2のみやぞん”とも言われ、身体能力も評価されている。「身体能力高くて、身体が張れるのは今後期待できる」(神奈川県/40代・女性)との声があった。  「M-1後」「第7世代」の活躍が顕著だった今回のランキング。お笑い芸人といえば、ひな壇での活躍がメインになりつつあったが、『有吉の壁』のような芸人ありきのお笑い番組がゴールデンタイムに放送され、純度100%のお笑い番組が復活傾向に。コロナ禍、次世代芸人の急浮上により、お笑い界も新たな潮流が見られ、思いもよらぬルーキーがTOP10に現れる可能性も。すでに年末のランキングが楽しみだ。 【調査概要】 調査時期:2020年6月4日(木)~6月11日(木) 調査対象:計1000名(自社アンケートパネル【オリコンモニターリサーチ】会員10代、20代、30代、40代、50代の男女) 調査地域:全国 調査方法:インターネット調査 調査機関:オリコンモニターリサーチ