東京の宮城ふるさとプラザ15周年 コロナ禍、即売会

東京都豊島区東池袋の県アンテナショップ「宮城ふるさとプラザ」が9日、開業15周年を迎えた。池袋で新型コロナウイルスの感染者増が報告されており、感染抑止のため恒例の周年祭は開催しないものの、地元業者による週替わりの展示即売会を再開した。特産の魚介や農産加工品の地道な販路拡大に知恵を絞る。
 石巻市特産のホヤやカキなどの加工品約20種が7月上旬、店内奥のイベントコーナーに並んだ。出店した同市の一般社団法人カイタクは、4年前から年4回程度出店する。
 法人理事の野口太さん(50)は「首都圏の催事が軒並み中止になり、このスペースは貴重だ。来店客に石巻のうまいものを直接紹介でき、東日本大震災から復興へと歩む被災地の姿を伝える機会にもなっている」と語る。
 ふるさとプラザは2005年の開業以来、年60万~70万人の来店者を維持。震災直後の11年度は復興支援を目的にした来店が増え、最多の90万人に上った。
 約1700種の商品を取り扱い、県産品の情報発信拠点のほか、修学旅行で都内を訪れた県内の中学生が、地元の観光をPRする実習場所としても定着した。
 毎年、開業記念日を挟む10日間程度、購入者を対象に、県内の旅館宿泊券や牛タンなどが計8000人に当たる大抽選会を催しているが、今年は店内の混雑を避けるため見合わせる。
 大蔵国孝店長(42)は「震災を挟んで15年間この場所に根差し、宮城のファンになってくれた人は多い。コロナ禍で業者は在庫を抱えており、販売促進に一層力を注ぎたい」と話す。