石巻・門脇に伝承交流施設 来年3月開館

東日本大震災の伝承活動に取り組む公益社団法人「3.11みらいサポート」(宮城県石巻市)は、伝承交流施設「MEET(ミート)門脇」を石巻市門脇町4丁目に整備する。震災から10年となる来年3月に開館する予定。津波と火災で大きな被害を受けた南浜・門脇地区から震災の教訓を伝える拠点を目指す。
 市が震災遺構として整備工事を進める旧門脇小近くに建てる。敷地面積約800平方メートルで施設は木造2階、延べ床面積約450平方メートル。整備費は総額約9000万円で11月に着工する。
 1階は子ども向け防災学習スペースや、震災の遺族から提供された被災物を展示。シアタールームを備え、震災直後の避難行動を追体験できる映像を流す。2階は事務スペースにする。
 南浜・門脇地区には一度に大人数を受け入れる伝承施設がなく、より多くの人が震災の教訓に触れる場にする。国などが整備し、来年3月に開園する石巻南浜津波復興祈念公園や、旧門脇小の来訪者の調整に当たり、周辺の伝承施設を巡るツアーも企画する。
 27日に現地で地鎮祭があり、町内会や市の関係者ら計約20人が工事の安全を祈った。みらいサポートの中川政治専務理事は「未来の命を守るため、訪れる人と地域の方が一緒に学べる場所にしたい」と話した。