街角景気、過去2番目の高水準 クーポンの効果大 東北・10月

東北活性化研究センターが10日発表した6県の10月の景気ウオッチャー調査結果によると、景気実感を3カ月前と比べた現状判断指数(DI、季節調整値)は54.1で、前月より8.3ポイント上昇した。6カ月連続の改善。新型コロナウイルスに対応した飲食業界支援策「Go To イート」開始などで人の動きが活発化し、比較できる2002年1月以降で2番目に高い水準となった。
 最高の60.2を記録した11年7月は、東日本大震災からの復興需要や国内外からの支援を追い風にV字回復した。
 今回、分野別(原数値)は家計動向が6.6ポイント上昇の51.2で6カ月連続のプラス。企業動向は7.4ポイント上昇の55.1と、2カ月連続で前月を上回った。
 ウオッチャーは「土産店では地域共通クーポンの効果が非常に大きい」(観光名所)「県内外の観光客の動きが改善され、飲食やホテル業が回復基調にある」(金融業)と指摘した。
 2、3カ月先の見通しを示す先行き判断DI(季節調整値)は3.0ポイント上昇の47.7で、3カ月連続の改善。ウオッチャーは「人の動きは良くなっているが、新型コロナ感染が再拡大しないか心配」(食料品製造業)「気温低下でインフルエンザも加わり、外出を控える傾向が強くなる」(百貨店)との見方を示した。
 センターの担当者は「多くのウオッチャーは依然として感染拡大の不安があるものの、イベントの復活や商談案件の増加が期待できれば、景気が上向くとみている」と分析した。
 センターは内閣府実施の東北分の調査を担当。小売業者など189人のうち177人から回答を得た。