「緊急事態、関係ない」ガソリン価格下がらぬワケ 10か月ぶり高値 まだ上がる?

一部地域に2度目の緊急事態宣言が発出された2021年1月現在、外出の自粛が呼び掛けられ、飛行機なども相次ぎ減便していますが、ガソリン価格は上昇し続けています。 【最新版】ガソリンが安い県 vs. 高い県  資源エネルギー庁が2021年1月14日(木)に発表した石油製品の価格調査結果によると、1月12日(火)時点におけるレギュラーガソリンの店頭における現金小売価格の平均は、1リットルあたり136.5円。値上がりは7週連続で、10か月前、2020年3月23日調査以来の高値水準だといいます。  10か月前は、新型コロナウイルスの影響でガソリン重要が急激に落ち込んだこともあり、価格は右肩下がりの状況でした。直近の最高値である2020年1月の150円台から下がり続け、緊急事態宣言中の5月ゴールデンウイーク中、124.8円で下げ止まり。そこから上がったり、下がったりして現在に至ります。  そして迎えた今回の緊急事態宣言。資源エネルギー庁の調査を受託している石油情報センターによると、やはり「ガソリンの需要は動いていません」といいます。ではなぜ価格が上がり続けているのでしょうか。

原油価格は「株のようなところがありますから」

ガソリン価格が上昇し続けている。写真はイメージ(画像:photolibrary)。

「原油の価格が上がっているからです」。石油情報センターはガソリン価格の上昇理由をこう話します。 「日本はまだですが、世界では新型コロナのワクチン接種が始まっており、経済回復への期待感が高まっています。世界の市場はそちらの方を見ていて、日本の緊急事態宣言は、あまり関係ありません」(石油情報センター)  さらに1月5日(火)、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成するOPECプラスの協調減産体制をめぐる協議のなかで、サウジアラビアが2月と3月の産油量を日量100万バレル規模で自主的に減産すると発表したことも、原油価格を押し上げる要因になったといいます。  これにより原油の供給量が少なくなることが、価格の上昇につながるため、実態の石油需要が落ち込んではいるものの、「原油価格は株のようなところがありますから、サウジアラビアの発表に市場が反応しました」ということです。  石油情報センターは来週、1月18日(月)の調査でもガソリン価格が値上がりすると見込んでいます。石油元売り各社も卸値を1.5円から2円ほど引き上げる構えだといい、ガソリン価格への反映が考えられるそうです。