ホシガレイ、緑色LEDで成長2倍 岩手・宮古漁港、特産品化へ視界良好

高級魚ホシガレイの陸上養殖で、緑色発光ダイオード(LED)が威力を発揮している。緑色LEDの光を当てると成長の早さが2倍になるという研究成果を生かし、宮古漁協(宮古市)が特産品化に向けて順調に養殖、出荷を続けている。
 緑色LEDの光を当てる研究は水産研究・教育機構宮古庁舎(宮古市)の清水大輔さん(45)らのグループが手掛けた。清水さんによると、緑色LEDの光が食欲増進につながるホルモンの増加を促し、えさを多く食べて成長が早まる。
 通常、12センチ程度のホシガレイの稚魚が40センチ程度に成長するまで2年かかるが、緑色LEDの光を当てるとおよそ1年短縮される。味や成分に違いはないという。
 水産物の増殖、養殖が専門の清水さんは2009年にLEDを活用した研究を始めた。緑色が最も効果が高く、カレイやヒラメに顕著だという。「緑色は感度がよく、水中でえさがよく見える効果もあるのだろう」と指摘する。
 宮古市からホシガレイの養殖事業を受託する宮古漁協は、緑色LEDを照らす水槽と自然光の水槽に分けて養殖。緑色LEDの水槽は成長が早いという。昨年10月〜今年1月の毎週木曜、40センチ前後の成魚を20匹ずつ出荷した。
 清水さんは、水産振興に関する論文を表彰する2020年度岩手県知事賞に選ばれた。19日の表彰式で保和衛副知事は「主要魚種のサケ、サンマが取れない中で養殖の研究は重要。さらに活躍してほしい」と激励し、清水さんは「まだ改良点もある。岩手の水産業に貢献したい」と応じた。