大学生活の充実度、コロナ下で急低下 首都圏は登校「0日」が45%「友達できず不安」

全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)は3月8日、現役大学生の生活や考えを探った「第56回学生生活実態調査」の結果を発表した。新型コロナウイルスの感染防止のためのオンライン授業が広がる中、大学生活を「充実している」と感じている大学生が大幅に減少した。

調査は2020年10~11月に行われ、30大学の11028人の回答を集計した。

調査結果には、コロナ禍でオンライン授業が主流だったことの影響が色濃く表れている。

調査時点の1週間の平均登校日数は2.0日で前年(4.4日)の半数以下。「登校日数0日」という学生が27.1%、東京など1都3県では45.5%に上った。

サークルに加入している学生は56.9%と前年より11.2ポイント低下。1年生では48.7%と前年より34.1ポイント低下して半数未満だった。

大学生活が充実している(「充実している」「まあ充実している」の合計)と感じている学生は74.2%と前年より14.6ポイント低下。1年生に限ると、56.5%にとどまり、この質問を設けた1983年以降で最低となった。対面で授業を受けている学生よりオンライン授業中心の学生は、大学生活を「充実している」と感じる割合が低い

1年生のうちすべての授業をオンラインで受けている人は「充実している」という回答が42.1%にとどまったのに対し、すべて対面で受けている人では78.0%。オンライン授業が主体の大学で学生の充実度が低下していることがみてとれる。

悩みなどを尋ねた質問では、「友だちができない(いない)・対人関係がうまくいかないこと」を選んだ1年生が34.5%と、前年より20.3ポイント上昇した。

アルバイト収入の減少も目立った。下宿生でアルバイトをしている人の収入は平均26630円で、前年より7240円減った。

全国大学生協連学生委員長の安井大幸さんは、「全国の大学生は暮らし・学び・コミュニティの3つの危機に見舞われている」とし、「いつまでも友達ができない」「勉強について相談できず不安」「バイト先が休業になり収入が減った」などの声が届いていると訴えた。