東京都の「不安煽らないで」に「煽ってるのは都知事」の大合唱

「いたずらに不安をあおることはしていただきたくない」

東京都で新型コロナウイルスの感染者数が2,848人を記録した7月27日。当時の過去最多となる新規感染者数だったが、『共同通信』によると都の吉村憲彦福祉保健局長は冒頭のようにコメントしたという。しかし、ネットでは「煽ってるのは都知事だろ」との声が相次いでいる。

《「不安煽らないで」って都知事が一番不安煽ってた》
《いたずらに不安をあおってきた張本人が小池都知事》
《小池都知事のほうだと思いますよ。こう見た感じ、アラートを発するお仕事しかしてないですよね》

では、小池百合子都知事(69)の言動を振り返ってみよう。新型コロナウイルスが猛威を奮い始めた昨年3月25日、小池都知事は「ライブハウスなどの利用を自粛するように」と発言。しかし、「補償等については、税金を投入することが本当に正しいのか議論があるところだと思う」と続けた。その「自粛を要請しても補償はなし」との姿勢に、飲食業などさまざまな業種が不安を覚える事態となった。

その2ヵ月半後となる6月2日、小池都知事は『東京アラート』を発動。しかし感染拡大に対する具体策を発表しなかったため、「都庁が赤色に変わっただけ」との声が日に日に増えていくことに。また7月2日には会見で「“夜の街”要注意」とのボードを掲げたが、《フリップ芸》との揶揄が。さらに「夜の街のスティグマ(差別や偏見に伴う負のイメージ)を助長するのでは」と危惧する声も上がっていた。

そして対策が整わないなか、同月15日には緊急記者会見を開き「新型コロナウイルスの警戒レベルを4段階のうち最も高い“感染が拡大している”に引き上げる」と発表したのだ。

■対策が不十分。そして言動の不一致

同年12月17日に小池都知事は、『年末年始コロナ特別警報』を発出。しかし医療機関には病床の確保を、飲食店には時短営業を、そして都民には会食を控えるよう“お願い”。またしても具体的な対策の発表がなかったため、《「やばいよ やばいよ」と言うだけ》《名称だけだった東京アラートと変わらない印象》といった声が上がっていた。

そして今年に入っても、小池都知事は“不安煽り”を止めていない。4月23日には「街頭の照明を伴う看板やネオン、イルミネーションなどを20時以降は停止するよう要請する」と会見で話したため、《電気消したら集まらないだろうって…都民は蛾ですか?》と効果を疑問視する声が。《街の明かりが減り、犯罪が増えるのでは。女性の帰宅など特に心配です》と危惧する声もあった。

また同日、小池都知事は「徹底した人流の抑制や感染リスクが高い施設への適切な対応などが必要」として、国交省と各鉄道事業者に“間引き運転”を要請。しかし減便した分、主要駅は通勤や通学でいっそう混雑することに。そうして“3密”を作り出した。いっぽうで、かつて“満員電車ゼロ”との公約を掲げていたため「そもそも公約を守れていない」との再批判もなされた。

そして今月18日には東京五輪にちなんで、IOCのトーマス・バッハ会長(67)の歓迎会を開催。そこには森喜朗氏(84)や丸川珠代五輪相(50)ら40人ほどが参加していたと報じられている。小池都知事はこれまで「大人数で集まらないように」と何度も呼びかけていたため、言動の不一致にウンザリする声もあった。

■「COVID19との戦いで金メダルを取りたい」

また都は「不安を煽らないで」というが、専門家からも厳しい現実を指摘する声が上がっている。

『NHK NEWS WEB』によると今月21日に開かれた東京都のモニタリング会議で専門家は「新規陽性者が増加し続ければ、医療提供体制がひっ迫の危機に直面する」「医療側は、第3波の前の去年12月半ばをイメージするくらいの恐怖感を持っている」と強い危機感を示したという。

そして冒頭の会見当日、都民の不安はさらに煽られることに。コロナ禍で小池劇場をいくつも上演してきた小池都知事だが、『共同通信』によると感染者数が発表された夕方時点で既に退庁。「取材対応はなかった」と伝えられたのだ。そのためネットでは、こんな声が上がっている。

《説明責任を果たさず退庁!今こそ、都庁に泊まりこんででも都民の命を守ることに死にものぐるいで対応すべき》
《毎日毎日、あんなにしゃしゃり出てきた小池百合子はどこで何してんの?出てくるのは今じゃないの?お得意のフリップとか標語とかカルタとか振りかざして感染防止に努めるんじゃないの?どれもこれも役立たずだったけど》
《小池百合子、逃げ足の速さと気配の消し方卓越してる》

7月24日、東京五輪に際して「ぜひ東京大会はCOVID19との戦いで金メダルを取りたいと思います」と話していた都知事。しかし、表彰台はまだ遠いのかもしれない。