仙台-宮古間、約1時間短縮に 三陸道の高速バス実証運行開始

岩手県北自動車(岩手県北バス、盛岡市)と宮城交通は22日、仙台空港(名取市、岩沼市)とJR仙台駅、気仙沼市、宮古市などを結ぶ高速バスの実証運行を始めた。三陸沿岸道の開通でアクセスが向上した同区間の周遊を促し、沿線の交流人口増加につなげる。

 同日午前8時に仙台駅を出た第1便には17人が乗り込んだ。出発式で岩手県北自動車の松本順社長は「三陸道という社会資本を生かし、地域経済を活性化したい。沿岸の旅の魅力発信にも努める」とあいさつした。実証期間は来年1月末までで、継続運行を見据えてアンケートなどで利用ニーズを調べる。

 運行は1日2往復。仙台駅と宮古市の道の駅「シートピアなあど」を行き来し、気仙沼市、岩手県山田町と宮古駅を経由。うち1往復は仙台空港に乗り入れる。同社によると、一般道で5時間以上を要していた仙台駅-宮古駅間が4時間10分に短縮されるという。

 片道運賃は仙台駅-宮古市間3500円、仙台駅-気仙沼市間2100円で、仙台空港までは500円増し。子どもはいずれも半額。

 実証運行は、観光庁の既存観光拠点再生・高付加価値化推進事業の採択を受けており、期間中は岩手県沿岸での復興ツーリズムツアーなども展開する。