仙台沿岸部「復興の姿」一望 市が空撮動画公開

東日本大震災から10年が経過した被災地の復興の姿を伝えようと、仙台市はドローンによる空撮を交えた動画「仙台市東部沿岸部のいま 2021年夏」の公開を始めた。動画投稿サイト「ユーチューブ」の市公式チャンネル「せんだいTube」で視聴できる。

 動画は7、8月に撮影した。若林区荒浜の体験型観光農園「JRフルーツパーク仙台あらはま」、宮城野区岡田の「海の近くのドッグラン ガモウパーク」など防災集団移転跡地に誕生した施設を空から一望し、集う人々の表情も捉えた。

 震災遺構「荒浜小」や海岸公園馬術場(若林区)、沿岸部の数カ所に設けられた「避難の丘」も登場。荒浜地区の灯籠流し、打ち上げ花火など地域の伝統行事の様子も盛り込み、4分49秒間の映像にまとめた。

 動画は沿岸部の復興を伝えるシリーズ第4弾。これまで「2017年春」「18年春」「19年秋」と順次公開し、かさ上げ道路「東部復興道路」などハード面の整備を軸に紹介してきた。19年11月の復興道路開通でいったん終了したが、現在のにぎわいぶりを発信しようと、再開に踏み切った。

 湯村剛広報課長は「今回の動画は被災地の生活や住民の笑顔、地域の色彩を感じられるよう工夫した。復興を支えてくれた全国、全世界の皆さんに未来に向かって変化する仙台沿岸部の今を見てほしい」と話す。