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ストレスに振り回されない心を手に入れる! 「マインドフルネス」のススメ

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一口に「ストレス」と言っても、その内容はさまざまです。満員電車のような不快な原因もあれば、昇進のような嬉しい原因もあり、私たちが生きている限りストレスが無くなることはありません。

重要なのは、どうやってストレスと共存していくか。そこで、30年以上のカウンセラー歴を持ち、『セルフケアの道具箱』『コーピングのやさしい教科書』などの著書も多数ある伊藤絵美さんに、ストレスと共に生きるためのコツをうかがいました。
○■ストレスに強くなるコツは、自分の感情をありのままに受けとめること

私たちが日々ストレスを感じてしまうのは、さまざまな出来事やそれに反応した自分の感情に振りまわされているのが一因です。たとえば、友人から愚痴を聞かされてイライラ、イライラする自分に「心が狭い」と自己嫌悪…みたいな経験、多くの方があるのでは? そんな風に振りまわされなくなるために習得したいのが「マインドフルネス」です。

マインドフルネスとは、自分が今、ここで体験していることに意識を向けて、自分の感情をただありのままに眺め、受け止めることを言います。友人の愚痴にイライラしたら、「ふーん。自分は今、友人にイライラしているんだな」と一歩引いて観察する。

この時、「この程度でイラつくなんて自分はダメだ」とか「真剣に聞いてあげないと友人に失礼」とか、自分に評価をくだすのはNGです。感情に「良い」も「悪い」もないと理解して、あるがままに受け止められるようになることが目標。できるようになると、ストレスフルな環境でも気持ちが揺れにくくなります。

ただし、マインドフルネスの習得は決して簡単ではありません。自分に厳しい人ほど難しく、いつの間にか自分に「良い」「悪い」のジャッジをしてしまいがちです。そういう時も自分を客観的に眺めて、「ふーん。また自分をジャッジしちゃったな。でも、まぁ、いいか」という感じで受け止めます。

自分以外の存在に手伝ってもらうのもアリで、たとえば、お気に入りのぬいぐるみに「大丈夫」「気にしなくていいよ」と言ってもらう様子をイメージする。そのうち自分のさまざまな反応をありのままに受け止められるようになると思います。

○■マインドフルネスは練習あるのみ! 隙間時間で日常的に取組を

マインドフルネスができるようになるには、練習して慣れていくのが一番です。図2にマインドフルネスの練習メニューをいくつか紹介しておきます。最近はマインドフルネスのアプリもありますから、活用するのもひとつの手。

いろいろ試して、自分に合ったものを1つでも2つでも毎日続けてみてください。スマホのアラームをセットして、毎日決まった時間に取り組むようにしたり、「電車の待ち時間に行う」等ルールを決めたりすると、習慣化しやすいかもしれません。

私の場合は、ちょっとした待ち時間ができた時に「呼吸のワーク」をやると決めています。本来、信号待ち、レジ待ち、踏切待ちといった時間は小さなストレッサー(ストレスの原因)になりますが、あらかじめワークの時間と決めて実践すれば、気になりません。よく通勤電車でできる筋トレが紹介されたりしていますが、あれに近いと思います。

○■焦らず毎日続けることで、振り回されない自分を手に入れる

マインドフルネスのワークは、1回行っただけで変化が訪れることはありません。効果のあらわれ方はゆっくりで、毎日続けて、数週間~数カ月以上かかるのが一般的。ある時、「あれ? なにか前と違うな」とじんわりと感じると思います。

アクシデントがあった時に気持ちが揺れても、その揺れに巻き込まれなくなっている。「気持ちが揺れているな」と気付きながら、その状態を冷静に受け止めているもう一人の自分がいるはずです。

私は頭痛持ちなのですが、以前は頭が痛むと、すぐに鎮痛剤を飲んでいました。でも、マインドフルネスのワークを行うようになってからは、「痛い」と気付いた後、「どんなふうに痛いのか」と観察できるようになりました。

その結果、「この程度なら薬を飲まなくても大丈夫」と判断できるようになったり、しばらく待てば痛みが消えてしまう場合があることがわかったり。頭痛に振り回されることなく、落ち着いて対処できるようになりました。

伊藤絵美 いとうえみ 公認心理師、臨床心理士、精神保健福祉士。洗足ストレスコーピング・サポートオフィス所長。千葉大学子どものこころの発達教育研究センター特任教授。慶應義塾大学文学部人間関係学科心理学専攻卒業。同大学大学院社会学研究科博士課程修了、博士(社会学)。専門は臨床心理学、ストレス心理学、認知行動療法、スキーマ療法。大学院在籍時より精神科クリニックにてカウンセラーとして勤務。その後、民間企業でのメンタルヘルスの仕事に従事し、2004年より認知行動療法に基づくカウンセリングを提供する専門機関を開設。主な著書に『つらいと言えない人がマインドフルネスとスキーマ療法をやってみた。』(医学書院)、『セルフケアの道具箱 ストレスと上手につきあう100のワーク』(晶文社)など。
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(トライ・エックス)